“リアル”に再生されたときには? 音の良し悪しを言い表す言葉…キーワードから読み解くカーオーディオ

高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドフリークス<岩手県>)。
高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドフリークス<岩手県>)。全 5 枚

趣味としてのカーオーディオの世界では、専門用語が度々使われる。そしてそれらの存在がビギナーを惑わすこととなる。当連載ではその打破を目指して、難解なワードの意味を1つ1つ解説してきた。現在は、音の良し悪しについて言う言葉にスポットを当てている。

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◆演奏現場の様子が忠実に再現されたとき、「ステージング」という言葉が使われる!

今回は、「ステージング」というワードを取り上げる。

早速本題に入ろう。当用語の意味は以下のとおりだ。カーオーディオの世界では、「演奏現場の状況がリアルに再現されたとき」に、「ステージングが良い」というように使われる。例えばホールで演奏されたオーケストラの演奏を再生したとき、ステージ上での楽器の配置が忠実に再現され、さらにはステージの横幅や奥行きの深さも実際のステージと同様のスケール感で再現されていると感じられるときに、「ステージングが良好」とか「ステージングがリアル」というように使われる。

蛇足だが、カーオーディオ以外の場面では、「ステージング」という言葉は異なる意味にて使用されている。主には以下のような2つの意味を持つ。1つは、劇場やコンサートホールなどでの舞台設置や演出の計画、準備のことが「ステージング」と称される。つまり、舞台装置や照明や音響などの配置や操作を計画し、実行する作業のことが「ステージング」と呼ばれている。そしてもう1つは、IT分野にて使われる。本番環境と同等の環境を模したテスト環境のことが、「ステージング」と称されている。

高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドフリークス<岩手県>)。高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドフリークス<岩手県>)。

◆「ステレオイメージ」と「音場」も、「ステージング」と同義語!?

なおカーオーディオでは、「ステージング」と同じような意味にて使われる言葉があと2つある。1つが「ステレオイメージ」で、もう1つが「音場」だ。前者はつまりは「ステレオ」という仕組みが正確に発動されていると感じられるときに使われる。

というのも「ステレオ」とは、音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右のスピーカーにて再生することで演奏をリアルに立体的に再現しようとするものだが、その仕組みが上手く機能すれば、音楽を聴いたときにその演奏がその場にいるかのように目前に広がる。そのときに「ステレオイメージが良い」とか「ステレオイメージが正しい」というように使われる。

そして「音場」は読んで字の如く「演奏されている場所」、つまりは「ステージング」を直訳したような意味として使われることが多い。

ところで、ホールで演奏されるオーケストラ演奏の録音方法はさまざまあるが、シンプルな方法が取られる際にはステージ正面の中央にマイクが2本立てられて録音される。つまりこの場合には、人間が左右の耳で音楽を聴いているかのようにして録音されるというわけだ。そしてそれを左右の2本のスピーカーで再生すると、マイクが立てられた場所で音楽を聴いているかのように演奏を感じ取れる。こうして目前に良好な「ステージング」が展開される。

高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドフリークス<岩手県>)。高度なシステムが搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ:サウンドフリークス<岩手県>)。

◆マイクの立て方を工夫することで、よりリアルな録音が可能に!

なお実際には、サブマイクがさまざな立てられることが多い。ステージ上に立てられたり、客席に立てられたりする。そうすることで楽器の音を分厚くしたり、音の輪郭をはっきりさせたり、ホールの響きが加えられたりするのだ。

一方ポピュラー音楽では、実際の演奏が2本のマイクにて録音されるケースは少ない。多くの場合は各楽器の演奏が個別に録音され、それらを「ミックスダウン」という作業にて2chの録音データにまとめ上げられる。そしてそのときに「ステージング」を表現する要素が擬似的に付加される。

まずは「パン」という機能が駆使されて、各楽器の左右の立ち位置が表現される。例えば「パン」を「10対0」で左に振ればその楽器はサウンドステージの左端に位置することとなり、「7対3」で左に振れば左端から3割程度中央付近に寄っていく。

そして「リバーブ」という機能を駆使すると、響き方を変えられる。これを深くかけると余韻が深くなりさらには音像がぼけてくるのでステージの奥側にいるかのようなニュアンスが出てくる。これらはテクニックの一例にすぎないが、こうして「ステージング」が擬似的に作り上げられていく。そして高性能なカーオーディオシステムで再生すると、リアルな「音場」が目の間に広がることとなるのだ。

今回は以上だ。次回も音の良し悪しについて言う言葉の解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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