新時代の幕開けを告げた、VW『ゴルフ』誕生から50年【懐かしのカーカタログ】

VWゴルフ・初代(写真は1978年当時のカタログ)
VWゴルフ・初代(写真は1978年当時のカタログ)全 9 枚

1974年のVW『ゴルフ』誕生から今年で50年。ヤナセの資料によれば日本市場へは翌年1975年に輸入開始、この年4ドアガソリン車が1804台輸入されたという。そんなゴルフの初代モデルをカタログで振り返ってみたい。

【画像全9枚】

長く続いた“ビートル”に代わるVWの主力車種の役を担って登場したゴルフは、Dr.フェルディナンド・ポルシェのアイデアに端を発したビートルのRR(リヤ・エンジン・リヤ駆動)に対して、まったく新設計のFF(フロントエンジン・フロント駆動)とし、僅かに先行した初代の『パサート』『シロッコ』とともにVWの新時代の幕開けを告げるモデルとなった。

ビートルの丸から角張ったボディを纏うゴルフは、見るからに実用車だったが、当時としては抜きん出た1410mmの全高により、全長わずか3725mmのコンパクトなボディながら、上級セダン並みの豊かな室内空間を確保。さらに車幅いっぱいに開く便利なハッチバックを採用し、荷物の積載性にも優れた。

当時のカタログには、リヤシートのバックレストを倒せば“荷台は約3倍の広さになり、ちょっとした引っ越しくらいできそうなスペースができあがります”と記されている。

乗った経験がおありの人ならおわかりだと思うが、アップライトな姿勢で座るシートは表皮の張りが強く、日本車との違いを実感させられたもの。インパネもごく簡素で、メーターや空調スイッチ、ラジオなど必要最小限の機能だけが備わった。

写真でご紹介しているのは1978年のカタログ。このときのボディタイプは2ドアと4ドアの2種類で、全車とも1457ccエンジンを搭載。トランスミッションは4速MTと3速ATが用意されていた。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『フォレスター』試乗して分かった日本車に対する本音とは…9月の試乗記ベスト5
  2. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  3. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
  4. 日産の新型SUV『テクトン』、写真公開…2026年発売へ
  5. 【スバル フォレスター 新型試乗】日本車の目覚しい進歩に舌を巻く…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る