業界変革期は第二ステージへ…ZFジャパンが世界に発信する次世代サプライヤーモデル[インタビュー]

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ZFジャパン 代表取締役社長 多田直純氏がレスポンスの無料セミナー「世界OEM各社のEV化と今後の進化普及に向けて」に登壇する。セミナーでは自社の新しい取り組みである「Enerlity(エナリティ)」について語るという。

Enerlityとは同社が提案する新しいEVのプラットフォームだそうだ。まずは、LCV(Light Commercia Vehicle)から取り組む予定のEnerlityの詳細と、Enerlityが実現する新しいエコシステムについて聞いた。

■Enerlity=Energy meets Moblity

――さっそくですがセミナーでお話する「Enerlity」とはどういったものなのでしょうか。

EnerlityはZFジャパンが取り組んでいる新事業のひとつです。コンセプトとして「Energy meets Moblity」というフレーズを掲げているのですが、このEnergyとMobilityを合わせた造語としてEnerlity(エナリティ)としています。

2010年から始まった量産車としてのEV産業は、0台から2021年に世界で660万台の市場に成長しています。2030年には4600万台まで拡大すると予測されています。またエネルギーマーケットも成長を続けている領域です。2010年のおよそ140ペタWhだったものが2021年に155ペタWhになっています。2030年には206ペタWhを超えると予想さています。

この成長は、もちろんEV市場の立ち上がりと無関係ではありません。エネルギー市場はEV・電動車によって更なる広がりを見せているわけです。2つの市場が融合した領域に新しい技術や市場が生まれます。

■新しいLCVプラットフォームを提案

――新しいLCV(Light Commercia Vehicle)コンセプトについても講演されるようですが、こちらはどんな車になるのでしょうか。

2023年5月にZFジャパンと伊藤忠商事・Power Xで最初のコンセプトと事業計画を発表しています。

その中で述べていたラストマイル輸送の主役である商用バンの新しいプラットフォームについて紹介、解説したいと思っています。

――5月の発表ではローリングシャシーと呼ばれているものですね。

はい。詳しい話はセミナーで説明しますが、ボトム・ミッド・トップの3レイヤで構成される車両プラットフォームです。ボトムレイヤは、バッテリーやeアクスルなどEVパワートレインとシャシーとなります。ミッドレイヤにはE/EアーキテクチャやADASなどコンポーネントとソフトウェアの層になります。アッパーレイヤは運転席・荷室・車両エクステリアです。

ボトムレイヤーを共通化することで物流・人流に対応できる車両を作っていきます。

■独自のバッテリーエコシステムをつくる

――スケートボードプラットフォームや台車コンセプトはいろいろなOEMやサプライヤーが、独自のものを提案していますが、これらとの違い、またはEnerlityプラットフォームとの特徴はなんでしょうか。

ホイールベースを3.8メートルとして、後輪操舵にして小回りが利くようにしたり、バッテリー搭載容量や積載重量を大きくしたり、ラストマイルの配送業者の声を生かしてテールゲートを廃止してサイドドアのみとしたり、といった車両の特徴もありますが、名前が示すようにエネルギー事業と深く結びついたエコシステムまで含まれることではないでしょうか。

Enerlityコンセプトでは、各車両に搭載されているバッテリーのビッグデータ(SOHなどバッテリーの状態)をクラウドで管理します。これによって正確なバッテリーの状態が把握でき、適切なリセールや再利用を可能とします。Enerlityは車両プラットフォームの話だけでなく、定置型蓄電池を含めたリユース、その後のリサイクルを含めた独自のエコシステムを構築します。

――バッテリーのデータは通常OEMが押さえており、サプライヤーや外部にはでてこないと思いますが。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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