20年ぶり! 想い出のクラウンに再会…ノスタルジック2デイズ 2024

ノスタルジック2デイズ 2024
ノスタルジック2デイズ 2024全 7 枚

2月17日と18日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催されたノスタルジック2デイズ(N2D)。会場の一角では20年ぶりにかつての愛車と再会し、現オーナーとの旧交を温めるシーンがあった。

イベントの目玉企画のひとつ「選ばれし10台」は一般公募で選出されたオーナー車を展示するというもので、走行入場&オーナーインタビューが行われた。1972年式のトヨタクラウン』もその中の1台だった。

オーナーの石川敦美さん(68)は茨城県土浦市の旧車クラブ「バックヤードつくば」の会長で、スバル『360』やプジョー『406クーペ』などを長年ノーマル状態で乗り続けている、生粋のクルマ好き。今回クラウンでエントリーしたのは「2004年に手に入れてちょうど20年経ったことと、高校生当時大ファンであった岡崎友紀さんがゲストと知ったからでした」。

ステージではクラウンのアピールポイントなどのインタビューを受け、前オーナーだったという京都在住の大江紀美子さん(78)からのサプライズ花束贈呈に、会場から拍手が起きた。

大江さんによれば、クラウンは新車で購入後、家族で32年間乗り続けたという思い出が詰まったクルマ。時を経るごとに少しずつ不具合が生じ始めた頃、ぜひ譲ってほしいと名乗りを上げたのが石川さんだった。「この人だったらクラウンも幸せになれる」と、大江さんは安心してキャリアカーに積まれたクラウンを見送ったという。2004年のことだった。

それから20年。石川さんからN2Dに出展すると連絡があり、大江さんは子供さんともども横浜まで足を運ぶことに。花束贈呈後は昔話に花が咲いた。

「クラウンは私と家族の歴史でもあり、見送る時は涙が出ましたが今こうして変わらない姿を見て幸せです。エンジンかけた時に体に伝わる振動は忘れません。今日は当時を懐かしむことができました。感謝の気持ちでいっぱいです。病気療養中で来られなかった主人にも良い報告ができると思います」と感激しきりの大江さん。「子供の頃、急ブレーキで後ろのシートからつんのめってコンソールボックスに額を打ち、しばらく傷になっていたことも今となってはいい想い出」と、壮年となった息子さんも懐かしんだ。

石川さんが引き継いだこのクラウンは、時折こうした各地の旧車イベント等にも姿を現し、関東では知る人ぞ知る個体となっている。「ハードトップ2600スーパーサルーン」という最上グレードで、そのルックスから、後にクジラと呼ばれる4代目。当時としては大柄な2ドアハードトップボディは今見ても斬新だ。前期型特有のカラードバンパーや独立したテールランプも、それなりの世代には懐かしい。

「走行距離は現在約22万km。エンジンを一度オーバーホールしたくらいで、ほぼオリジナルコンディションです。大江さん一家が喜んでくれて私も嬉しいです」と石川さんもにこやか。クラウンが紡いだ年月は半世紀を超えたが、まだまだ走り続けていきそうな気配であった。

《嶽宮 三郎》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る