排気量は15リッター! 自動車業界初の天然ガスエンジン、カミンズが量産開始

自動車業界初の15リットル天然ガスエンジンの量産を開始したカミンズ
自動車業界初の15リットル天然ガスエンジンの量産を開始したカミンズ全 1 枚

カミンズは、自動車業界初の15リットル天然ガスエンジン「X15N」の量産を米国のジャムズタウンエンジン工場で開始した、と発表した。X15Nは、長距離輸送や職業用車両など、さまざまな重機用途に対応する柔軟性を持つエンジンだ。

X15Nは、2024年の米国環境保護庁(EPA)およびカリフォルニア州大気資源局(CARB)の規制に対応するため、50mgのNOx排出量を達成している。このエンジンは、天然ガス専用に設計されており、カミンズのHELM戦略を活用して、最終的には天然ガス、ディーゼル、そして水素など複数の燃料タイプを含むグローバルなエンジンプラットフォームとなる予定。X15モデルは、可能な限りヘッドガスケット以下の共通部品を共有し、ユーザーにとっての使いやすさを追求する。

さらに、X15Nはカミンズの12リットル天然ガスエンジンと比較して、燃費が最大10%改善されている。これにより、重機や職業用車両に必要な性能、耐久性、パワーを提供しつつ、企業の炭素排出量を大幅に削減する優れた選択肢となるという。

X15Nは、カミンズの他のパワートレインコンポーネントと組み合わせることで、エンジン単体以上の排出削減効果を実現する。これには、カミンズクリーンフューエルテクノロジーズの燃料システム、カミンズドライブトレインおよびブレーキシステムの駆動および操舵軸、そしてイートン-カミンズのエンデュラントHD-Nトランスミッションが含まれる。この12速トランスミッションは、最大総重量11万ポンドの長距離トラックに対して、発進性能、低速操作性、スムーズなシフトを実現する。

量産開始前には、北米の大手企業による厳しい運用条件下での広範なテストが行われた。テストプログラムには、ウォルマート、ワーナーエンタープライズ、UPS、ナイトスウィフト、ライダー、ナショナルレディミックス、オジンガ、フードエクスプレスなど16企業が参加し、24台のトラックが合計150万マイル以上を走行した。テストトラックは、夏の107度の高温や冬の氷点下の気温、1万2000フィート以上の高度を経験している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  3. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
  4. ホンダ『プレリュード』新型、ホームページで先行公開…発売は9月
  5. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る