スズキが新中期経営計画『By Your Side』を発表---自己資本利益率を11.7%から15.0%へ

スズキが2025年度に日本に投入するBEV『eビターラ』
スズキが2025年度に日本に投入するBEV『eビターラ』全 10 枚

スズキは2月20日、新中期経営計画「By Your Side」を発表した。2025~30年の6年間の計画により、2030年代前半に営業利益率10.0%以上、ROE(自己資本利益率)15.0%以上をめざす。現中計(2021~25年度)を1年前倒して終了、2025年度から新たな中計を開始する。

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スズキのめざす姿は『生活に密着したインフラモビリティ』。顧客、社会にとって身近で、頼りになる存在であり続けるために非連続の挑戦で、チームスズキは生活に密着したインフラモビリティをめざす、とする。コーポレートスローガンは「By Your Side」とし、これが新中計の名称となる。

●現中期計画を1年前倒しで達成

現中計を振り返ると、販売台数は未達だったが、為替や売上構成の改善、品質の改善などにより、売上・利益目標を前倒しで達成した。電動化をはじめカーボンニュートラルの取り組みを積極的に推進し、成長への足場固めが進展した。いっぽうインド市場でシェア下落や電動車の競争激化など、事業環境が変化したため、戦略の再考が必要であるとする。

●売上収益は40%プラス、営業利益は36%プラス

新中計の経営目標として、2030年代前半に 営業利益率10.0%以上、ROE(自己資本利益率)15.0%以上の実現をめざす。2023年度(2024年3月期)の営業利益率は8.7%、ROEは11.7%だった。

2030年度(2031年3月期)末には、売上収益8兆円、営業利益8000億円(営業利益率10.0%)、ROE13.0%の達成をめざし、事業目標や財務目標を設定する。2024年度(2025年3月期)末の業績予想は売上収益5兆7000億円、営業利益5900億円となっている。売上収益は40%プラス、営業利益は36%プラスの目標だ。

2030年度末の経営目標は、四輪事業が販売台数420万台、営業利益7000億円とする。2024年度(2025年3月期)末の業績予想は324万4000台なので、台数で29%プラスの目標だ。また、二輪事業の目標は販売台数254万台、営業利益500億円とする。2024年度(2025年3月期)末の業績予想は203万5000台となっているので、25%プラスが目標だ。

●日本は成長市場、インドではシェア50%めざす

新中計の技術戦略は、「小・少・軽・短・美」の理念に基づき、全ての過程でエネルギーを極少化する、そして製造からリサイクルまで 「資源リスクと環境リスクを極少化させる技術」をめざす、の2点。

四輪の2030年度末の目標は、グローバルで販売台数420万台、営業利益目標7000億円。日本市場は、スズキの四輪事業において成長市場であるとする。全需要は減る予想の中で登録車を伸ばし、収益も高める計画だ。「スーパーエネチャージ」と名付けるハイブリッド車の投入のほか、2025年度中にBEVの『eビターラ』と軽商用バンBEVを投入、2030年度までにBEV6モデルを展開する予定。

インド市場は成長が続くと予想され、スズキの成長のエンジンとなる最重要市場だ。現地のリーディングカンパニーとしてシェア50%をめざすという。2030年度までにBEV4モデルを展開する予定。

●二輪ユーザーは二分化

二輪事業では2030年度末までに254万台の販売、営業利益500億円の達成が目標だ。二輪車ユーザーは趣味嗜好で使用するユーザー(欧州など)、生活の足、業務に使用するユーザー(アジアなど)に大きく二分され、それぞれに合った商品を展開していく。

●カーボンニュートラル達成時期を20年の前倒し

カーボンニュートラルについては、事業活動からのCO2排出(Scope1、2)について、インドを含むグローバル で、2050年までのカーボンニュートラルをめざす、とした。従来の目標の2070年から前倒し。

鈴木俊宏社長は、2021年6月の就任以来「スズキのマネジメントの在り方を『変えずに更に強化』『時代の進化に合わせアップデート』してきた」とし、「変えずに更に強化したものは『社是』と『小・少・軽・短・美』『三現主義』『中小企業型経営』の3つの行動理念からなるスズキのオペレーティングシステム(OS)。スズキは、スズキのOSと経営の原則に従い、これからも進化し続ける」と語った。

《高木啓》

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