特許情報から読み解く中国EV列強の技術覇権の行方…知財ランドスケープ CEO 山内明氏[インタビュー]

特許情報から読み解く中国EV列強の技術覇権の行方… 知財ランドスケープ CEO 山内明氏[インタビュー]
特許情報から読み解く中国EV列強の技術覇権の行方… 知財ランドスケープ CEO 山内明氏[インタビュー]全 2 枚

来たる5月26日、オンラインセミナー「【中国BEV主要プレイヤー分析】BYD、HUAWEI、XIAOPENG、NIO、ZEEKR、XIAOMI~各社の強みと注目潮流を特許情報起点で炙り出す~」が開催される。セミナーに登壇するのは、株式会社知財ランドスケープ 代表取締役社長 CEO / 弁理士 シニア知的財産アナリスト(AIPE 認定)である山内明氏。

今回のセミナーは以下のテーマで進められる。

1.電動化関連のグローバル特許出願から浮かび上がる中国勢の台頭
2.中国NEVの新競争軸を炙り出すための独自母集団設定(IPC*セクション跨ぎ法)
 * International Patent Classification
3.中国NEV(BEV)主要プレイヤたるBYD, HUAWEI, XIAOPENG, NIO, ZEEKRおよびXIAOMIの出願人ランキング
4.同主要プレイヤの上位出願人×IPCマトリクスマップから浮かび上がる5つの注目カテゴリ
(1)LiB温調 (2)イーアクスル (3)自動運転 (4)UI/UX (5)AI
5.注目カテゴリ毎の個別分析
(1)LiB温調編
 BYDの圧倒的存在感と寒冷時温調への傾注、HUAWEIによる追随
(2)イーアクスル編
 BYD顔負けのHUAWEIによる傾注(HIのハード面のキラーコンテンツとしての小型高出力志向)
(3)自動運転編
 HUAWEIの突出した存在感(E2Eの先駆者としての実力、HIのソフト面でのキラーコンテンツ)
 各社による追随ならびにE2E潮流
(4)UI/UX編
 HUAWEIによるスマートコックピットへの傾注(HIのハード/ソフト両面でのキラーコンテンツ)
 XIAOPENGによる音声認識への傾注
(5)AI編
 HUAWEIによる外部環境認知面での先駆性ならびにこれを基礎としたE2Eの優位性XIAOMIによるVLM
 (Vision Language Model)への傾注によるE2Eの取組み
 XIAOPENGによる電池交換ステーション運営のAIによる最適化
6.質疑応答

セミナーの開催に先立ち、セミナーの見どころを山内氏に聞いた。

特許分析から浮かび上がった5つの技術領域とは

「中国メーカーの技術動向はなかなか表に出にくく、製品が市場に投入されて初めてその詳細を知る、というケースが多いのではないでしょうか」。

そう語るのは、株式会社知財ランドスケープ 代表取締役社長 CEO / 弁理士 シニア知的財産アナリスト(AIPE 認定)である山内明氏。

近年の中国EVの急成長の裏側では、一体どのような技術開発が進んでいるのか。ローンチ前の動き、そして現在の技術トレンドの源流を、公開情報である特許から読み解くことはできないか。山内氏は、まさにその「特許情報起点」で中国EVメーカーの現在と未来を分析する第一人者だ。

「特許情報を起点とすることで、現在起きている事象の背景や、今後の技術トレンドを読み解くことができると考え、今回の分析にチャレンジしました」と山内氏は説明する。

「特許制度は『先願主義』を採用しており、先に出願された技術ほど、より広範で強力な権利を取得できる可能性があります。これは特許法の基本的な考え方であり、中国でも同様であり、だからこそ特許情報を起点とすることで、中国勢によるローンチ前の動き、そして現在の技術トレンドの源流を炙り出し得るのです」。

山内氏は、中国EVメーカーの技術動向に関して、以下5つの注目すべき領域が特許情報から明らかになったという。バッテリーの温度管理(温調)、eアクスル、自動運転、AI、そしてUI/UX(スマートコックピット)の5つだ。

これらの重要技術分野のなかから、本稿では、自動運転に焦点を当てて、主要プレイヤーたちの戦略、そして業界全体の潮流を見ていこう。

【自動運転】ファーウェイが先行しBYDが猛追


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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