マレリ、債権者集会でインド部品大手が買収提案、外資ファンド反対で難航も[新聞ウォッチ]

マレリ、債権者集会でインド部品大手が買収提案、外資ファンド反対で難航も
マレリ、債権者集会でインド部品大手が買収提案、外資ファンド反対で難航も全 4 枚

マレリホールディングス(HD)」という会社名ではわかりにくい人もいるようだが、その前身は経営再建中の日産自動車系列の部品大手の「カルソニックカンセイ」。さらにその昔は“ニチラ”の愛称で呼ばれていた「日本ラヂエーター」だった。

そのマレリが債権者集会を開き、私的整理に向けた新たな再建計画を提案。きょうの読売や朝日、日経などが報じているが、それによると、インド同業大手のマザーサン・グループからの買収提案について、マレリ側が金融機関に対して受け入れの意向を示したという。ただ、海外投資ファンドなど一部の債権者は反対しており、今後の調整は難航が予想されるとみられる。

マレリが提示した私的整理案は、銀行などが債権の一部を一律で放棄した上でマザーサンの傘下に入り、中長期での再成長を描く内容としている。日経によると、マザーサン側は、計6500億円ほどの各金融機関の債権を2割の価格で買い取るという。

みずほ銀行などによる過去の緊急融資約500億円は額面通りに取得し、マレリに追加で1000億円を出資。さらに、2017年にマレリの前身企業を買収した米大手ファンドが保有する全株式の価値をゼロとみなしてマザーサンに譲渡するとも伝えている。

マレリは主要取引先の日産の販売不振などによって、2024年に資金繰りが急速に悪化。債権団が一致した再建策を見いだせないなかで、積極的なM&A(合併・買収)で世界大手入りをめざすマザーサンをスポンサーとする案が浮上。ただ、今回の計画は抜本的な改善につながると期待を寄せる一方で、米ファンドのストラテジック・バリュー・パートナーズ(SVP)を中心とする外資金融4社は私的整理案の実現性に懸念を抱いているとみられるだけに、現時点で提案に反対する公算が大きいようだ。

2025年5月27日付

●マレリ印大手が買収提案、受け入れ意向、債権者調整難航か(読売・2面)

●USスチール「米が支配」トランプ氏100%出資否定か (朝日・1面)

●HV後手、日産が独自技術改良、燃費改善・コスト減、北米には来年度導入(朝日・6面)

●社説・日産の大規模リストラ、危機脱出の道筋見えない(毎日・5面)

●トランプショック、アメ車日本販売の障壁は?日鉄買収承認「発表待つ」首相関税交渉サミット念頭(日経・2面)

●タイ車生産回復遠く、モーターショーではEV受注増、4月0.4%減、ローン利用減少長期化 (日経・10面)

●高速IC「Y型」逆走リスク、平面構造で誤進入の要因に (日経・39面)

●車の泥棒、スマホで撃退?盗難最多の愛知、県警が実演 (日経・39面)

《福田俊之》

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