英国のエンジニアリング企業のRMLグループは、同社の40周年を記念する限定ハイパーカー、RML『P39』のプロトタイプを英国「スーパーカーフェスト・ザ・ランウェイ2025」で初公開した。
ノーザンプトン近郊のサイウェル飛行場で開催されたこのイベントは、最高速度と全開加速走行を特徴とするもので、RML社にとって同車を初公開する絶好の機会となった。
P39は、すでに高性能なポルシェ『911ターボS』(992型)をベースに、日常的な使いやすさを維持しながらサーキット走行性能を大幅に向上させたハイパーカーとして開発された。次回の公開走行は、6月17日のシルバーストーンでの「スーパーカードライバーシークレットミート」と、8月22日から24日の「シルバーストーンフェスティバル」で予定されている。

P39のボディは全面的にカーボンファイバーで再構築され、アクティブエアロデバイスを装備している。電子制御式リアウイングは、ロードモードでは第2エレメントを隠し、トラックモードでは上昇して回転し、リアウイングのダウンフォースを24%向上させる。ドライバーが選択できるDRS(ドラッグリダクションシステム)は、直線での最高速度を得るためにドラッグを23%削減する。
フロントには、トラックモードで75mm前方に伸びる可変スプリッターを装備し、ターンインの精度を高めている。これらの空力管理により、150mphでのダウンフォースは標準ターボSの1432Nから、ロードモードで5100N、トラックモードでは6500N以上に増加している。
RMLのエンジニアは、新しい空力性能を活かすためにシャシーを一から再設計した。新しいサスペンションリンクによりトレッドを拡大し、専用のトップマウントで理想的なキャンバー角を維持。セカンダリースプリングにより、ロード走行時の乗り心地を損なうことなく、トラックモードでのホイールレートを向上させている。
R53製の専用ダンパーは3段階の設定が可能で、4輪油圧リフトシステムにより、段差からピットレーンまであらゆる状況に対応できる複数の車高設定を提供する。

リチフィールドモーターズとの提携により、ツインターボフラットシックスエンジンは徹底的に再設計された。大径のインテークと排気システム、ロードカー用フラットシックスとして過去最大のインコネル製排気バルブなどにより、スポーツ/スポーツ+モードでは920hpのパワーと705lb-ftのトルクを発揮する。
追加の2つのプリセットモードとして、低グリップ条件用の600hpウェットモードと、一般道での高速走行用750hpノーマルモードも用意されている。
P39は厳密に39台限定で生産される。最終調整と検証テストの後、英国での最初の顧客納車は2025年夏末に予定されている。米国と欧州では販売およびアフターケア代理店がすでに任命されている。