日本ゼオンと台湾のSino Applied Technology社(SiAT社)は、SiAT社の総額2000万米ドル規模のシリーズC資金調達ラウンドにゼオンが主導して資本参加することで基本合意した。
今回の合意により、次世代リチウムイオン電池向けの単層カーボンナノチューブを用いた導電ペーストの生産能力拡大が進められる。
リチウムイオン電池は、電気自動車やドローン、eVTOL航空機などの民生用途だけでなく、AIサーバーBBU、再生可能エネルギーESS、自動化ロボティクスなどの産業分野でも需要が急増している。単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は、電池のエネルギー密度とサイクル寿命を大幅に向上させる材料として注目されている。
ゼオンは2015年に世界で初めて独自のスーパーグロース技術を用いたSWCNTの量産に成功し、「高純度」「高比表面積」「高アスペクト比」を特長とする製品を「ZEONANO」ブランドで展開している。一方、SiAT社は20年以上の電池用ナノ材料開発経験を持ち、SWCNTを均一に分散させ安定した導電ペーストとして製品化する独自技術を有している。