【ヒョンデ インスター 新型試乗】“不思議ちゃん”な見た目からは想像できない「真面目BEV」…島崎七生人

ヒョンデ インスター Lounge
ヒョンデ インスター Lounge全 22 枚

どこかにこんな目をしたペットロボットがいたよなぁ……が、筆者の個人的な第一印象。そんな不思議ちゃん的な風貌とユニークなディテールは、街中でもかなり人目を引いているようだった。が、この『インスター』の実態といえば、至って真面目で実用的なSUV風味のスモールBEVである。

【画像全22枚】

◆フィアット500よりも小さいコンパクトEV

ヒョンデ インスター Loungeヒョンデ インスター Lounge

とにかく実車に接して驚かされのがコンパクトさ。とくに全幅は1610mmしかない手頃さで、どうも馴染めると思ったら我が家のICEのチンク(フィアット500=1625mm)よりさらに15mmも小さい!「ALWAYS三丁目の夕日」ほど遡らないまでも、かつての日本の小型車はこのくらいの小ささだったよなぁ……などと遠い目になったりして。

故に狭い路地裏や手狭なスーパーの駐車場へも(ステアリングレシオは僅かにスロー? ステアリングのリムは楕円の断面形状の奥行き方向がやや太め?とはいうものの)臆せず入っていける。4mを切る全長も実に扱いやすく、後退で駐車スペースに停めたい場合、まずまず精細なカメラ画像で見計らいながら、車止めに後輪が当たる寸前でクルマを止められる。

ヒョンデ インスター Loungeヒョンデ インスター Lounge

一方でコンパクトなクルマながら居住空間は十分。後席はドア開口が大きくサイドシルも低いため乗降性はスムース。シートは左右個別でリクライニングとスライド(160mm)が効くため、座面は少し低めながらゆったりとした乗車姿勢がとれる。

一方でラゲッジスペースの容量も十分で、トノカバーの固定位置がなぜかリアゲート側のため、荷物の出し入れに支障がなくはないが、昔のボルボのエステートのように前席は前倒しでき(左右とも。操作はリクライニングのレバーと共用で前席ドア側から行なう)、長さのあるものの積載や、工夫次第で足を伸ばして車内でちょっとした休憩もできそうだ。

ヒョンデ インスター Loungeヒョンデ インスター Lounge

それと試乗車の「Lounge(ラウンジ)」は装備も充実。とりわけ前2席にシートヒーターとシートベンチレーションが標準なのは、暑がりで寒がりな家族(=ウチの家内がそう)がいるご家庭にはありがたいはずだ。冬場のステアリングヒーターも嬉しい。

◆日本専用のダンパーとステアリングの絶妙さ

そして何といっていいのが、実に穏やかな乗り心地のよさ。訊けば日本仕様はダンパーが専用品だそうで、発進からのザワついた感触がまったくなく、バッテリー分の車重でボディが路面に押し付けられることによるシットリとした乗り味、煽られ感とピッチングの小ささは格別といえる。

ヒョンデ インスター Loungeヒョンデ インスター Lounge

試乗経験を積むにつれ、ボディサイズからクルマの乗り味を予測するようになったらしい(!?)乗り心地・NVH評価担当の我が家の柴犬のシュンも、予想外の快適さに、試乗中ずっと上機嫌だった。

ちなみにステアリング(やADASの設定なども)のプログラムも日本仕様独自とのこと。「日本のユーザーに合わせて操舵力をやや軽くした」というが、アシストの量や立ち上がりのタイミングは絶妙で、低速ではスムースで高速走行では安定した手応えもあり、何気なく完璧な仕上がりぶりだ。

ヒョンデ インスター Loungeヒョンデ インスター Lounge

走行モードと回生の強さが変えられる(左パドルで選べば1ペダル走行も可能)動力性能もアクセル操作で自在にコントロールが可能。確認のため強めにアクセルを踏み込むと、路上でも軽くクルマの流れをリードできる加速が得られた。その際、EVらしく加速が鋭かったらしく、同乗のシュン(犬)は加速Gを感じるや前傾姿勢で前脚で踏ん張り、自分のカラダを保持するのを今回発見した。

普通充電/急速充電ともに充電の際の目標充電量の設定も可能。今回、試乗終了間際だったため試乗車の設定のまま上限80%の状態で90kW/200Aのスポット(2基のうち利用は1台)に立ち寄ったが、59%からものの10数分で80%の“ちょっと足し”の充電が完了した。試乗車の一充電走行距離のカタログ値は458km(Lounge)だが、日常+αの実用度は十分な高さだと思う。

ヒョンデ インスター Loungeヒョンデ インスター Lounge

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『アルファード』が2027年に大幅改良、新型エルグランドとのガチンコ対決の行方は
  2. 見た目はアウディ、中身はポルシェ!? 次期型『マカン』、エンジン車は2028年登場か
  3. トヨタ『シエンタ』の前席が回転、「スイベルシート」販売再開…ドア閉めたまま回転可能に改良
  4. BMW『3シリーズ』新型発表、EVと共通の「ノイエ・クラッセ」デザインに
  5. マツダ公式ライセンスグッズ、初代ユーノス『ロードスター』描いたパーカーを10月上旬発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  2. セレンスAIの緊急車両検知技術、東大発「AS Mobi」の自動運転バスに導入…2027年商用化めざす
  3. 中国ヒューマノイドに自動車アフターマーケットの課題解決のヒントがあった…2026世界ロボット大会
  4. インド国産化の進め方、事業の核の築き方【インド・新自動車大国の素顔】
  5. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 欧州自動車産業の次の一手、欧州の現場で何が起きているのか~EV減速局面・SDV/AIへの移行・中国勢の浸透~
ランキングをもっと見る