【ルノー キャプチャー E-TECH 新型試乗】顔つきを変えただけの同じクルマと思っていたら…中村孝仁

ルノー キャプチャー エスプリ・アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH
ルノー キャプチャー エスプリ・アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH全 37 枚

ルノー『キャプチャー』がフェイスリフトを受けた。本国で2代目の現行モデルが誕生したのは、2019年のことだから、5年目にして初のフェイスリフトである。5年目というのはこのフェイスリフトの本国でのデビューが2024年だったからだ。

【画像】ルノー キャプチャー エスプリ・アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH

「E-TECH」はルノーが作り上げたフルハイブリッドの名称で、複雑怪奇なトランスミッションと、たった94psの1.6リットル4気筒エンジンと、二つのモーターを(49psのメインモーターと20psのサブモーター)組み合わせた構成で、出力的には大したことはないものの、初めて乗った時は偉く活発に走ることに感銘を受けたものである。今年に入って本国では、キャプチャー用として新たなハイブリッドシステムが発表されているが、それはまだ搭載されていない。何でも最大で40%も燃費が向上するというから、今でさえ良い燃費なのに、早く新しいE-TECHに乗ってみたいものである。

ルノー キャプチャー エスプリ・アルピーヌ フルハイブリッド E-TECHルノー キャプチャー エスプリ・アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH

今回の変更は、そうしたテクニカルな面にはほぼ触れずに、もっぱらエクステリアとインテリアのリニューアルに終始した。前後の見た目は大きく変わり、特にフロントからの眺めは何となくプジョーっぽい。

それもそのはずで、元々ルノーのデザインチーフだった、ローレンス・ヴァン・デ・アッカーの基本スタイルを守りつつ、前後の意匠を変えたのは2020年に当時のPSAから移籍してきたジル・ヴィダルだからだ。現行プジョーデザインの基礎を築いたのは彼であるから、ルノーのスタイリングがプジョー寄りになるのは致し方ない。と思っていたら、今年の7月に彼はルノーを辞め、再びステランティスのヨーロッパ部門デザインチーフに舞い戻ったから、今度はルノー風プジョーができるのかもしれない。

◆俄然見やすくなったセンターディスプレイ

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それはともかくとして、見た目は前述したようにルノーっぽくない。といってもそう見えるのはフロントから見た時だけで、それ以外のエクステリアが大きく変わっているわけではないから、この新しいキャプチャーに追い抜かれて、斜め後方から見た時は、新型か旧型かほとんど区別は出来ないと思う。

今回試乗したのは、新たに設定された「エスプリ・アルピーヌ」と呼ばれる上級仕様のもの。実はE-TECHにはこのエスプリ・アルピーヌしか設定が無く、マイルドハイブリッド仕様のモデルにはエスプリ・アルピーヌともう一つ、「テクノ」と呼ばれるグレードが存在する。

ルノー キャプチャー エスプリ・アルピーヌ フルハイブリッド E-TECHルノー キャプチャー エスプリ・アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH

一方でインテリアは、新たにセンターディスプレイが10.4インチの縦型に拡大されて、俄然見やすくなっている。従来同様ナビゲーションは組み込まれていないものの、スマホとのミラーリングが可能だから、ナビに困ることはないし、スマホナビならば常に最新の地図を手に入れることができるから、却って便利かもしれない。

そのディスプレイの下には従来同様ピアノスイッチが並ぶのだが、先代で装備されていたその下のダイヤル式物理スイッチは姿を消して、見た目だいぶモダンになった印象を受ける。

◆選べる4種類の走り

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走行モードは従来マイセンスと呼ばれていたと思うが、今回はマルチセンスと呼ばれ、エコ、コンフォート、それにスポーツとパーソナルの4種類から走行モードをチョイスできる。

エコとコンフォートの場合はエンジンの設定がチョイスできないが、ステアリングとシャシー(どこがどう変わるのかは不明だった)については、3種の設定から好みのものが選べる。ステアリングのチョイスは低・中間・高から選べる。またエンジンはレギュラー・スポーツ・エコの設定があるが、チョイスができるのはパーソナルのみである。ステアリングは、低というのがもっともアシストが多く軽い設定で、高がその逆である。

個人的には低では少し軽すぎてどっしりとした安定感がなく、逆に高はどっしりとはしているものの、高速走行時のようにほとんど切らなくてよい場合はそれでよいが、一般道や市街地は中間が良かった。

パーソナルとスポーツで選べるスポーツのエンジンモードは、レギュラーと比べても明確に蹴り出しが強く、信号待ちから隣のクルマを抜いて前に入りたいというような状況では、圧倒的な加速感を示してくれるので有難い。

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◆顔つきを変えただけの同じクルマと思っていたら

乗り心地は明らかに先代と比べて変化した。理由はタイヤサイズが19インチに格上げされたことによる。明確にしっかり感が出てワインディングなどを少し気合を入れて走りたい場合は効果的かもしれないが、乗り心地という点では従来の方が良かったように感じる。因みにテクノというグレードでは18インチが標準になるが、今度はE-TECHが選べず、マイルドハイブリッド仕様のみとなる。

単に顔つきを変えただけの同じクルマと思っていたら、乗り味までだいぶ変わっていた。価格は車両本体価格が454万9000円。試乗車はこれにフロアマット、ETC、エマージェンシーキットのオプション(合計8万5690円)が加わる。つい先日試乗したステランティスの4兄弟とガチで争う価格帯である。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員・自動車技術会会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来48年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。最近はテレビ東京の「開運なんでも鑑定団」という番組で自動車関係出品の鑑定士としても活躍中。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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