ボッシュ、燃料電池技術でドイツ未来賞受賞…商用車の脱炭素化に貢献

ボッシュの燃料電池パワーモジュール(FCPM)の開発チームが、ドイツ未来賞2025を受賞
ボッシュの燃料電池パワーモジュール(FCPM)の開発チームが、ドイツ未来賞2025を受賞全 3 枚

ボッシュの燃料電池パワーモジュール(FCPM)の開発チームが、ドイツ未来賞2025を受賞した。

【画像全3枚】

クリストファー・ウーア氏、カイ・ウィーバー氏、ピエール・アンドリュー氏が率いるチームの功績が認められ、ドイツ連邦大統領賞が授与された。この賞は、カーボンニュートラルモビリティを実現する重要技術としてFCPMを評価したものだ。

受賞したFCPMは、水素と酸素を電気エネルギーに変換するシステムだ。商用車はグリーン水素をタンクに充填することで、完全にCO2フリーで長距離走行が可能になる。排出されるのは水蒸気のみだ。これにより、ボッシュは貨物輸送におけるカーボンニュートラルの達成に大きく貢献している。EU域内の道路交通によるCO2排出量の4分の1以上を大型トラックが占めているが、物流には欠かせない存在でもある。

FCPMの量産は2023年にシュトゥットガルト・フォイアーバッハ工場で開始され、その後すぐに中国の重慶でも生産が始まった。1000以上の個別部品で構成されるFCPMは、ボッシュの約140年の歴史の中で最も複雑なシステムの一つであり、同時に最も先駆的なシステムでもある。スタックから循環ポンプ、エアコンプレッサーまで、すべての主要コンポーネントが社内で開発・製造されている。

パワートレインモジュール自体は、従来の内燃エンジンが搭載されていた場所に取り付けることができる。ディーゼルタンクの代わりに、トラックには水素用の高圧タンクが装備される。給油時間は約15分と従来と同等だ。車両のレイアウトや経済的な運転によっては、約70kgの水素で最大1000kmの走行が可能だ。

ボッシュのFCPMを搭載したトラックは、すでに世界中で数千台が稼働している。実際に使用されているモジュールからは貴重な開発データが得られている。多くのシステムは車両内に物理的に存在すると同時に、仮想空間にデジタルツインとしても存在する。温度、圧力、摩耗などのパラメータを継続的に監視し、次世代パワートレインシステムの開発作業に直接反映させることができる。

FCPM技術はトラックだけでなく、バスのパワートレインや船舶の推進システムにも使用できる。さらに、データセンターに分散型のCO2フリー電力を供給することも可能だ。ボッシュはまた、同じ技術を逆に利用したPEM電解スタック(PEM=プロトン交換膜)で、水と電気から水素を製造している。これは水素バリューチェーンにおけるもう一つの重要な構成要素だ。4月に電解スタックを市場投入した後、同社は最近、バンベルク拠点で自社の電解技術を搭載した電解装置を初めて稼働させた。

ボッシュは1998年から2013年の間に5回ドイツ未来賞にノミネートされ、ボッシュのチームまたはボッシュが関与したチームが3回受賞している。2005年にはピエゾインジェクター、2008年にはスマートセンサー、2013年には超短パルスレーザーで受賞した。燃料電池パワーモジュールでのドイツ未来賞2025受賞により、ボッシュはこの成功の歴史に新たな1ページを刻んだ。この賞は、同社の技術力だけでなく、未来へのビジョンも示している。それは、水素と燃料電池が輸送部門の脱炭素化において決定的な役割を果たす世界だ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『RX』大幅改良へ、新デザイン判明!…フロント刷新&内装進化
  2. スバルはなぜMTを捨てないのか? 2027年までに登場、次期『WRX』『BRZ』「新型スポーツハッチ」の姿とは
  3. 日野『プロフィア』リコール 火災のおそれ
  4. マツダ『ロードスター』改良新型、横浜ゴム「ADVAN Sport V107」を新車装着
  5. 日産『ノート』フルモデルチェンジへ、日産復活の切り札となるか?…土曜ニュースランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  2. 山岳トンネル工事でロックボルトを自動打設、三井住友建設が「離れteロック」開発…俵山・豊田道路第2トンネル工事に導入
  3. ヨコオ、電波暗室を中国・東莞に新設…アンテナ評価を現地完結へ
  4. タイヤは「黒いゴム」じゃない! ブリヂストンが明かした性能を決める原材料の秘密
  5. 日立エナジー、空飛ぶクルマ向け電力インフラ整備へ…Eve Air Mobilityと覚書締結
ランキングをもっと見る