SDVの競争領域は30%、ボッシュ代表が名言「OEMを超えた標準化は待ったなし」

ボッシュ 代表取締役社長クリスチャン・メッカー氏
ボッシュ 代表取締役社長クリスチャン・メッカー氏全 6 枚

2025年12月、ボッシュが横浜の本社にてメディア向けの「SDV勉強会」を開催した。同社がEclipse Foundationの「Eclipse SDV」に対するコミットメントを示すものでもあった。

◆SDVの付加価値を決める競争領域は30%

なぜボッシュがオープンソースコミュニティによる勉強会を開催したのか。もちろんSDV時代に向けた戦略のひとつであり、Eclipse Foundationが欧州ベースのNGOだからというのもあるかもしれない。だが、勉強会の冒頭で、ボッシュ代表取締役社長であるクリスチャン・メッカー氏は、

「SDVによってソフトウェアの重要性が増し、またそれらは車両ライフサイクル全体にわたってアップデートを繰り返す必要がある。そして、そのソフトウェアのおよそ70%は標準化が可能である」

と述べ、SDV開発においてその大部分は競争領域ではなく、OEMを超えた協調領域と考えるべきとした。OEMやサプライヤーは、残りの30%部分について独自性や機能性、付加価値の追求に注力すればよく、残りの70%の標準化、共通化によって省力化、効率化すべきという意見だ。

一方で、自動車の車載ソフトウェアについては、すでのいくつもの標準化団体、開発コミュニティは存在する。日本においては、JasPar、AUTOSAR、COVESA、AGLなどがあり、すでに業界各社がメンバーとして活動しているところだ。標準化といいながら、そこに別の団体を増やす意味があるのかという疑問も浮かぶ。

ソフトウェア開発者ならEclipseを知らない人は少数だろう。同プロジェクトのIDE(統合開発環境)はC/C++開発においてはデファクトスタンダードだ。いまでもJava開発でも使われることが多い。Eclipseは由緒あるオープンソースコミュニティだ。そしてボッシュやEclipse Foundationが主張する「標準化」は、車両ソフトウェアに関する規格やAPIの名前、書式を一元的に統合するという話ではない。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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