ホンダ発スタートアップ「PathAhead」、砂漠の砂で世界初の高耐久人工骨材を開発

人工骨材 Rising Sand
人工骨材 Rising Sand全 6 枚

ホンダの新事業創出プログラム「イグニッション(IGNITION)」から生まれたスタートアップ「パスアヘッド(PathAhead)」が設立され、発表会を開催した。

【画像全6枚】

パスアヘッドは、世界初となる砂漠の砂を活用した人工骨材「ライジングサンド(Rising Sand)」を開発している。2027年よりケニア共和国での実証実験を皮切りに量産技術を確立し、2028年にケニアに設立予定の自社工場で量産を開始する計画だ。アフリカ地域の建設事業者向けに安定供給する体制の構築を目指す。

アフリカ地域では急速な人口増加に伴い経済発展が進む一方、道路などのインフラ整備が追いついていない。現在のアフリカ地域の道路舗装率は約20%と低水準にとどまっており、舗装済み道路の劣化も進んでいることから、物流コストの上昇など経済損失につながっている。

また、道路舗装に使われる骨材は産地や地層によって強度にばらつきが生じやすく、舗装材として必要な品質を安定的に確保しにくいという課題もある。

パスアヘッドは現地で調達できる資源として砂漠の砂に着目し、「ライジングサンド」を開発した。100μm(マイクロメートル)程度の微細な球状の砂漠の砂を、特許出願中の独自の造粒技術により数十mm(ミリメートル)単位の粒径へと造粒した人工骨材だ。

粒度や形状のばらつきを抑えて強度を高めることで、一般的な天然骨材を用いた道路の耐久年数が約10年とされる中、20年以上の耐久年数を実現した。これによりライフサイクルコストを従来の約60%に抑えられるという。さらに、砂漠の砂や薬剤など現地で調達できる資源を原材料とすることで、天然骨材と同等の価格での提供を目指す。

道路舗装用途にとどまらず、コンクリートや路盤材など幅広い建設分野での活用も想定している。

事業化に向けた最初のステップとして、2027年よりケニアを皮切りに、タンザニア連合共和国、南アフリカ共和国の順で約3年間にわたり道路舗装に関する実証実験を行う。現地の気候や交通条件を踏まえ、施工性・耐久性・品質の再現性などを検証する。

イグニッションは2017年にホンダ従業員向けの社内新事業創出プログラムとして開始した。2020年には起業の選択肢を追加し、2023年には対象を社外にも拡大した。起業したスタートアップの独立性を担保するため、ホンダの出資比率は20%未満とされている。

《森脇稔》

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