日産『ムラーノ』レビュー、CVT廃止と快適性に高評価…海外報道

日産 ムラーノ 北米仕様
日産 ムラーノ 北米仕様全 17 枚

日産自動車は北米向けSUV『ムラーノ』を日本市場へ導入し、6月3日から注文受付を開始した。国内試乗はまだ限られているため、北米の主要自動車メディアによる評価を整理した。

【画像全17枚】

2025年モデルでフルモデルチェンジした新型ムラーノに対し、北米メディアは総じて「快適性と上質感の大幅な向上」を高く評価している。いっぽうで、「価格の高さ」「ハイブリッド不在」「動力性能の物足りなさ」を共通の課題として指摘した。

◆スポーティではないが快適

最大の評価ポイントとなったのは、パワートレイン刷新だ。従来の3.5L・V6エンジンとCVTを廃止し、新たに2.0L・VCターボエンジンと9速ATを採用した。

MotorTrend』は、新パワートレインによる応答性向上やボディ剛性の改善を評価。「スポーティではないが、長距離移動における快適性はクラス上位」とした。またゼログラビティシートについても高い評価を与えている。(2025 Nissan Murano First Drive Review: Controlled Cushiness / 2025年型ムラーノ試乗:制御された快適性)

Car and Driver』もシートの快適性を高く評価したいっぽうで、加速性能については力強さに欠けると指摘。「従来型より良くなったが、なお物足りない部分もある」と総括した。(Tested: 2025 Nissan Murano Is Back in the Game / 試乗レポート:2025年型日産ムラーノ、再び戦線復帰)

Autoblog』もCVT廃止を歓迎した。9速ATによる自然な変速フィールや滑らかなパワーデリバリーを評価し、市街地から高速道路まで快適性と安定性のバランスがとれているとした。(I Drove the 2025 Nissan Murano in Los Angeles. Here's My Review / ロサンゼルスで2025年式日産ムラーノを試乗、そのレビューを紹介)

乗り心地を高く評価したのは『Road & Track』だった。新採用の周波数感応式ダンパーによる快適性向上や、ロール剛性向上による操縦安定性の改善を評価した。いっぽうで、「スポーティSUVではなく、ワインディング走行向きではない」と指摘している。(Tested: 2025 Nissan Murano / 試乗レポート:2025年式日産ムラーノ)

Edmunds』は「V6を失った代わりに、より洗練された日常向けSUVへ進化した」と評価した。ただし、価格については高級車並みとの見方を示している。北米市場でのメーカー希望小売価格は4万1670~4万9800ドル(約670万~約800万円)となっている。(Tested: 2025 Nissan Murano Is Better With Fewer Cylinders / 実走テスト:2025年型日産ムラーノ、気筒数が少ないほど性能が向上)

内外装の進化を高く評価したのが『Motor1』だ。刷新されたエクステリアに加え、インテリア品質の向上やGoogle Built-inを含む最新の日産コネクトの採用を評価。「改良されたパワートレインとサスペンションによって運転体験は大きく向上した」と結論付けた。(The 2025 Nissan Murano Is a Big Step Up / 2025年モデルの日産ムラーノは大きな進化)

◆CVT→9速ATの変更を支持

各媒体の論調を整理すると、新型ムラーノは「V6消滅」よりも「CVT廃止」が歓迎されたモデルと言える。北米市場ではCVTに対する評価が必ずしも高くなく、9速ATへの変更を支持する声が目立った。

いっぽうで、燃費性能が大きく改善していないこと、価格設定が高めであること、そしてハイブリッド仕様が用意されていないことは、多くの媒体が共通して指摘した課題だった。

総じて北米メディアは、新型ムラーノをスポーティSUVとしてではなく、快適性や上質感を重視したミドルサイズSUVとして再評価している。日産が狙う「プレミアム志向の快適SUV」という方向性については、おおむね成功との見方で一致している。

◆米国製乗用車の認定制度を活用

日産自動車は6月3日、米国で生産するSUVのムラーノを日本市場に導入し、同日から注文受付を開始したと発表した。

ムラーノは、米国テネシー州のスマーナ工場で生産されるミッドサイズクロスオーバーSUVだ。日産は2026年2月に国土交通省が創設した米国製乗用車の認定制度を活用して日本市場への導入を実現した。ムラーノは同制度によって輸入されるモデルとなる。

エクステリアは、薄型LEDヘッドライトや左右に広がるリアコンビネーションランプ、20インチアルミホイールを採用し、ワイドで存在感のあるデザインとした。

インテリアには12.3インチの統合型インターフェイスディスプレイを水平に2画面配置。操作性と視認性を高めるとともに、広い室内空間と十分な荷室容量を確保した。ボディカラーはターコイズブルー、スーパーブラック、プリズムホワイトの3色を設定する。

◆日本初導入VCターボ搭載

パワートレインには、日本初導入となる2.0L・VCターボエンジンを搭載する。日産独自の可変圧縮比技術により、最高出力180kW(245ps)、最大トルク352N・mを発生。9速オートマチックトランスミッションと組み合わせ、高い燃費効率と加速性能の両立を図った。

駆動レイアウトは4WDを採用。専用チューニングを施した周波数感応型ダンパーと電動パワーステアリングにより、優れたハンドリング性能と乗り心地を実現したという。

◆日本価格は796万4000円

安全装備では、360度セーフティアシスト(全方位運転支援システム)を標準装備した。「プロパイロット」のほか、車体下の視界を表示する「インビジブルフードビュー」、交差点などで前方左右の死角確認を支援する「フロントワイドビュー」を備えた「インテリジェント アラウンドビューモニター」などを搭載する。

全国希望小売価格(税込)は、4WD車の「SV」が796万4000円。

《高木啓》

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