ボッシュ、米カリフォルニア州でSiC半導体生産へ…2026年内に

ボッシュの米ローズビル工場
ボッシュの米ローズビル工場全 1 枚

ボッシュは、米商務省のCHIPSプログラムオフィスから最大2億2500万ドル接補助金を受ける最終合意をトランプ政権と締結したと発表した。

この補助金は、カリフォルニア州ローズビルの工場をシリコンカーバイド(SiC)半導体の生産拠点へと転換するための投資を支援するもので、ボッシュは同工場に最大20億ドルを投じる計画だ。

ローズビル工場は40年以上にわたる半導体製造の実績を持ち、現在は最新の設備と製造プロセスを導入してSiC半導体の生産・テストができる施設へと大規模な改修が進んでいる。ボッシュはすでに同工場でサンプル生産を開始しており、2026年内には200mmウェハーを使った初の商業生産用チップを製造する予定だ。

ボッシュは2023年4月にローズビルの既存ウェハー工場の資産取得を発表し、同年8月に買収を完了。その後、既存の従業員の雇用を維持しながら工場の転換を進めてきた。新たなクリーンルームや高度な製造ラインも整備されている。

■SiC半導体が次世代モビリティを支える

SiCチップは高電圧・高温・高速スイッチングに優れており、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の航続距離延長や充電効率の向上に貢献する。ボッシュが最近発表した第3世代SiCチップは、前世代比で最大20%の性能向上を実現しつつ小型化も達成した。ボッシュは2021年の第1世代量産開始以来、世界で6000万個以上のSiCチップを出荷している。

SiCチップはモビリティ分野にとどまらず、データセンターの電力変換効率向上やAIワークロードの増大に対応するための産業用エネルギー分野でも活用が期待されている。

■米国事業への長期投資と地域貢献

ローズビル工場はボッシュにとって米国初の半導体生産拠点であり、米国内20カ所の製造拠点の一つだ。ボッシュは米国で約1万人の製造従業員を抱えており、今後5年間で最大75億ドルを米国事業に投資する計画を持つ。2026年には米国進出120周年を迎える。

ローズビル工場は現在300人以上の従業員を擁し、カリフォルニア州からも2500万ドルの税額控除を受けている。また、ボッシュコミュニティファンドを通じて地域のSTEM教育支援にも取り組んでおり、2024年以降、ローズビル周辺の学校や非営利団体に20万ドルの助成金を提供し、約1500人の生徒と教師に影響を与えている。

《森脇稔》

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