【ホンダ CB750ホーネット 試乗】ナナハン入門車にうってつけ! 2気筒ストリートファイター×「Eクラッチ」の底力ホンダCB750ホーネット(6MT)【レビュー】
ホンダのスポーツネイキッド「CB750ホーネット」が、話題の「E-Clutch」を獲得。ライディングの幅を広げる自動クラッチシステムは、パンチの利いた2気筒のストリートファイターにどんな走りをもたらすのか? その仕上がりを確かめた。
「CB750」なのにツイン?
ホンダの“CB750”のエンジンといえば、ほとんどのライダーは4気筒を思い浮かべるのではないだろうか。具体的には二輪業界に衝撃を与えた最初の「ドリームCB750フォア」や、現在の「CB1000F」の原型になった「CB750F/900F」などだ。
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しかし、目の前にある「CB750ホーネット」は2気筒だ。おまけにホーネットとしても、かつて存在していた250/600/900cc、現在の1000ccはいずれも4気筒なので、初のツインということになる。こうした経緯から、「どうして、750のホーネットだけツインなんだ?」と思う人は少なくないかもしれない。でも、僕はちょっと違う見方をしている。
ナナハンのホーネットは、2022年にまず欧州で発表された。2025年からわが国でも展開を始め、2026年4月のマイナーチェンジでE-Clutch専用となったが、この自動クラッチ仕様も欧州に先行投入されていた。同じ750ccクラスでも、欧州はもともとバーチカルツインやVツインをアイデンティティーとしてきたブランドが多い。そんな思想に引かれてモト・グッツィやトライアンフを乗り続けてきた僕からすると、このマシンはホンダの欧州対抗馬であり、ツインを搭載するのも自然なことに思える。

2気筒のパンチと快適な操作性を両立
実車に接してまず感じたのは、ライディングポジションの優しさだった。身長170cmで手足が短い昭和体形ながら、片足はべったり着くし、ハンドルも遠すぎない。外観から想像するより、はるかにリラックスできる。
最近のトレンドである270°クランクの直列2気筒は、SOHCながら4バルブ。しかも吸気バルブはカム直押しという、凝った構造を持つ。ライドモードは「スタンダード」「スポーツ」「レイン」で、ほかにユーザー独自の設定ができるモードが2つある。スタンダードは日本車らしい扱いやすさ、まろやかさが印象的で、スポーツモードでは欧州車のツインを思わせる歯切れのよさが前面に出てくる。一方で、レインモードでもそれほどガクッとレスポンスが落ちるわけではない。
2気筒ということで気になる人がいるかもしれない振動は、ハンドルやシートにはほとんど伝わらないのに対し、ステップは4000rpmから気になりはじめ、6000rpmを超えるとそれが大きくなっていく。ステップにゴムをかぶせれば弱められそうだが、ツインの鼓動感が味わえるのは2000~4000rpmあたりで、高速道路での回転数は6速・80km/hで3000rpmちょっと。2気筒らしいパンチはこの領域でもしっかり体感できるので、普段使いでは、前述の振動はあまり気にならないかもしれない。

日本のバイクらしい懐の深さと素直さ
個人的にクラッチレスの大型モーターサイクルは、ホンダの「DCT」、ヤマハ発動機の「Y-AMT」、BMWの「ASA」に乗ったことがある。そういえば、普段の足に使っているホンダの「スーパーカブ」もクラッチレスだ。
そんな経験をもとにして書けば、まず発進時のクラッチミートはスパッとつながるタイプで、自分好み。その後はクイックシフターと同じように、スロットルはそのまま、左足でチェンジペダルを操作するだけ。シフトダウンも同じで、中ぶかしをしなくてもスムーズにギアとスピードを下げてくれる。
試しにクラッチレバーを握ってみると、驚くほど軽い。短時間ならこれでもいいと思ったけれど、気がつくとクラッチレスモードに戻っている自分がいる。なにより楽だし、ほかの操作に集中できるぶん、安全でもある。もちろん自動変速モードがあるDCTやY-AMT、ASAのほうが快適性はさらに上だけれど、クラッチを切ってギアを変えていく動作には独特の楽しさがあるわけで、あの世界を残したままクラッチレスでも走れるE-Clutchは、うまい落としどころだと思った。
感心したのは、1速での走行中にギクシャクしないよう、スロットルを閉じても回転を上げ気味にしておくこと。日本らしいおもてなしだ。
スチールフレームは適度なしなりを感じるタイプで、それほどハイスペックなサスペンションが付いているわけではないものの、乗り心地は良好であり、ハンドリングは過敏ではなく、街なかから高速まで素直な動きだった。
見た目は尖(とが)っているけれど、乗ればホンダならではの扱いやすさと楽しさの両立が光る。ナナハン入門車としてはうってつけだし、外国車のツインがトゥーマッチに感じるようになったベテランにも薦められそうだ。
(文=森口将之/写真=向後一宏/編集=堀田剛資/車両協力=本田技研工業)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=2090×780×1085mm
ホイールベース:1420mm
シート高:795mm
重量:約196kg
エンジン:754cc 水冷4ストローク直列2気筒SOHC 4バルブ(1気筒あたり)
最高出力:91PS(67kW)/9500rpm
最大トルク:75N・m(7.6kgf・m)/7250rpm
トランスミッション:6段MT
燃費:22.7km/リッター(WMTCモード)
価格:114万9500円
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