マツダ787B、ルマン初優勝…ロータリーで挑んだ1979~1991年の記録

マツダ 787B(1991年ルマン24時間耐久レース)
マツダ 787B(1991年ルマン24時間耐久レース)全 8 枚

マツダ787B」が1991年のルマン24時間耐久レースで総合優勝してから35周年を迎えた。これを記念し、マツダがロータリーエンジンでルマンに挑んだ軌跡をまとめた『マツダチーム ルマン初優勝の記録』〈増補三訂版〉が三樹書房から登場した。

【画像全8枚】

副題は「ロータリーエンジンによる戦い 1979-1991」。GP企画センターが編集し、桂木洋二、船本準一、三浦正人の各氏が執筆した。

本書は、マツダがロータリーエンジンを搭載したレーシングカーで世界最高峰の耐久レース、ルマンに挑み、ヨーロッパの強豪を相手に日本メーカーとして初の総合優勝を獲得するまでを追ったドキュメントだ。

マツダのロータリーエンジンの歴史は、当時の東洋工業が1960年、ドイツのNSUと共同開発契約を結んだことから始まる。当時の松田恒次社長は、会社の存続を懸けてロータリーエンジンの開発に取り組んだ。

1970年代後半から1980年代にかけて、ロータリーエンジンは自動車用エンジンとして普及するいっぽう、燃費や耐久性が課題として指摘されていた。その実力を証明する場としてルマンに注目したのが、マツダオート東京のレースチーム監督だった大橋至氏と、それに呼応した寺田陽次郎氏だった。

こうした挑戦は、1991年のルマン24時間レースにおける787Bの総合優勝へとつながった。

マツダ 787B(1991年ルマン24時間耐久レース)マツダ 787B(1991年ルマン24時間耐久レース)

本書は、この優勝直後の1991年12月25日にグランプリ出版から発売された『マツダチーム ルマン初優勝の記録』を底本としている。2012年には「ロータリーエンジンによる戦い 1979-1991」の副題と、主執筆者だった桂木洋二氏による序文を加え、カバーデザインを一新した増補二訂版が登場した。

今回の増補三訂版は、1991年のルマン初優勝から2026年6月で35周年を迎えたことを機に内容を増補したものだ。増補にあたって内容を改めて確認するとともに、ルマン優勝に向けて指揮を執った元マツダ専務取締役の達富康夫氏と、モータースポーツ主査の小早川隆治氏による回想記を収録した。

さらに初版では収録できなかった写真を追加。マツダ公式の歴代ルマンカーに関する情報やスペックデータ、ルマンに関する年表なども加え、1979年から1991年まで続いたロータリーエンジンによる挑戦と、その集大成となったルマン総合優勝を振り返る内容となっている。

マツダ優勝(1991年ルマン24時間耐久レース)マツダ優勝(1991年ルマン24時間耐久レース)

マツダチーム ルマン初優勝の記録』〈増補三訂版〉
ロータリーエンジンによる戦い 1979‐1991
編者:GP企画センター
著者:桂木洋二 船本準一 三浦正人
発行:三樹書房
体裁:B5判変形・上製・184ページ(カラー32ページ)
定価:3740円(本体価格3400円+消費税)

目次
□ドキュメント・ルマンに賭けたマツダ・ロータリーエンジンの苦闘と栄光……桂木洋二
1. ルマン初優勝の瞬間
2. 日本のワークスチームによる先陣争い
3. ロータリーエンジンとマツダのレース活動
4. 勝つための体制づくりに着手
5. エンジン性能向上のための悪戦苦闘
6. マツダスピードのサムライたちのルマン
7. ロータリー独特の問題とマシン設計
8. 90年ルマンのリタイアとその反省
9. エアロダイナミクスの追求とカーボンブレーキ
10. マツダ787Bの製作とテスト走行
11. 準備完了、ルマンへ集合、そして予選
12. 決勝レース―ついにトップに浮上
□ルマンを戦ったロータリーエンジンの技術的変遷……船本準一
1. ロータリーエンジンとそのチューニング
2. 2ローター13B型エンジン
3. 13B型ツインターボエンジン
4. 3ローター13G型エンジン
5. 4ローター13J改型エンジン
6. 4ローター13J改2型エンジン
7. 4ローターR26B型エンジン
□マツダチームのルマン挑戦の歴史……三浦正人

『マツダチーム ルマン初優勝の記録』『マツダチーム ルマン初優勝の記録』

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《高木啓》

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