ボッシュは、9月14日にドイツで開幕するIAA Transportation 2026において、ソフトウェア定義型商用車向け技術を発表する。
■電動パワートレイン
「リジッドeアクスル」
ボッシュは軽・重量商用車の両方を対象に、個別部品から完全なシステムソリューションまで電動化を推進している。
新型の「リジッドeアクスル」は、電動モーターとトランスミッションを一体化したもので、総重量18~49tの商用車に対応する。従来の電動センタードライブより軽量かつ高効率で、効率最大99%のシリコンカーバイドインバーターと組み合わせることで、輸送コストの大幅な削減が期待できる。
また、800Vアーキテクチャ向けの新型高電圧ブロワーモジュールを導入し、電動商用車の熱管理を最適化することで航続距離と効率の向上を図る。
■燃料電池・水素エンジン
バス向け燃料電池システム燃料電池システムは100~300kWの出力範囲をカバーし、都市バスや長距離トラック、定置用途に対応する。水素と酸素を使って水と電気を生成するため、走行中に排出ガスを出さない。バッテリー式と比べて軽量で航続距離が長く、短時間での水素充填が可能だ。
水素エンジンについては、2025年からインジェクターや制御ユニット、センサーなどの供給を世界各地のテスト車両や車隊向けに開始している。既存の開発・生産ラインを活用できるため、メーカーの移行コストを抑えられる。希土類元素や貴金属などの調達困難な原材料をほぼ必要としない点も特長だ。
さらに、天然ガス・メタン、エタノール、メタノールなど他の代替燃料向けソリューションも提供する。
■デジタル炭素証明書
ボッシュは、水素化植物油(HVO)などの再生可能合成燃料を使用するフリート事業者向けに「デジタル燃料ツイン」を提供する。このクラウドベースのソフトウェアが代替燃料の使用状況を自動追跡し、排出削減量を記録する。
■安全センサーと接続技術
2026年半ばからEUは、新規登録トラックへのセンサー式ドライバー警告システムの搭載を義務付ける。ボッシュはデジタルサイドミラーの左側ディスプレイにカメラを内蔵し、ドライバーの注意状態を監視する機能を実装した。すでに欧州の2社のトラックメーカーが標準装備として採用している。
多目的カメラ「MPC4」は、複数の周囲センサーからのデータ融合を初めてカメラ内で実現し、前モデル比で演算能力を20倍に向上。AIにより車線逸脱警告や緊急ブレーキアシストを強化する。2027年に量産を開始する予定だ。
同じく2027年には第7世代レーダーセンサーを投入する。導波管アンテナ技術と自社開発のシステムオンチップ(SoC)を採用し、AIアルゴリズムで信号品質を最適化する。
クラウド接続サービスでは、事故・逆走・ハイドロプレーニングに関するリアルタイムデータを分析して運転支援システムを先行制御する機能や、スマートフォンアプリと物理キーを組み合わせた車両アクセス管理システムも提供する。
■高性能車載コンピューターとソフトウェア
ボッシュは、ソフトウェア定義型商用車への移行を支える中央E\/Eアーキテクチャを開発中だ。コックピット統合プラットフォームはインフォテインメントなどドライバー操作に関わる機能を集約し、車両統合プラットフォームはモーション・エネルギー・ボディ領域の機能を一元管理する。
ボッシュの子会社ETASは、オープンソースの「Eclipse S-CORE」をベースにした車両ソフトウェアプラットフォームスイートを提供し、従来の制御ユニットから高性能コンピューターまで幅広いアーキテクチャに対応する。また、「ASAM SOVD」標準に基づく次世代診断ソリューションも導入し、修理の初回完了率向上や車両開発へのフィードバックを実現する。
■ステアリングと乗員保護
完全電動ステアリングシステム「サーボE」完全電動ステアリングシステム「サーボE」はオイル不要で、冗長設計とサイバーセキュリティ対応のソフトウェアアーキテクチャにより、将来のステアバイワイヤ技術への道を開く。電気油圧式の「サーボツイン」はSAEレベル2の操舵支援に対応し、長距離走行の快適性と安全性を高める。
電気油圧式リアアクスルステアリングは最大3軸以上を操舵し、最小回転半径の縮小とタイヤ摩耗の抑制に貢献する。
エアバッグ制御ユニットは重量トラック向けに最適化されており、電動商用車では事故時に高電圧バッテリーを自動遮断して乗員と救助隊員を保護する。事故データの記録とJ1939プロトコルによるリアルタイム送信機能も備える。




