日産自動車が開発を進めている新型コンパクトEV『Pixo(ピクソ)』のプロトタイプを、スクープ班のカメラが初めて捉えた。日産の新世代EVは、9月23日のデビューが予告されている。
【スクープ画像】20枚、ルノー・トゥインゴや日産マイクラも!
ピクソは、欧州で登場した新型『マイクラ』よりさらにコンパクトな、AセグメントのシティEVだ。市場投入は2027年が有力視されており、市販化されれば、日産の乗用EVラインアップで最小クラスを担う。
◆EVラインアップの再構築
日産は現在、欧州におけるEVラインアップの再構築を進めており、中心となる1台が新型マイクラだが、ピクソはその下に位置するエントリーモデルだ。
設計ベースとなるのは、ルノーの新型『トゥインゴ E-Tech エレクトリック』だ。日産とルノーのアライアンスを活用して基本設計を共有しながら、エクステリアなどを日産独自のデザインに変更する。
日産 ピクソ 市販型のプロトタイプ
◆ルノー トゥインゴ と兄弟車
今回、スペインでテスト中に捉えられたプロトタイプは厳重なカモフラージュに覆われているものの、トゥインゴとの違いは見えている。
フロントには、トゥインゴの丸みを帯びたライトとは異なる、角張ったヘッドライトを採用。その下には、C字型デイタイムランニングライトの一部とみられるシャープな光源も確認できる。
中央には幅広いバーを配置し、バンパーにはキューブ状の開口部を採用する。ボンネットも比較的オーソドックスな造形となっており、単なるバッジ違いではなく、日産車として独自のフロントマスクが与えられるようだ。
サイドの基本的なシルエットはトゥインゴを受け継ぐいっぽう、ホイールは日産専用デザインとなるはず。リアもテールライトやバンパー周辺を変更し、トゥインゴとの差別化が図られるだろう。
◆マイクラより18cm短い
ピクソの大きな特徴となるのが、コンパクトなボディだ。ベースとなるトゥインゴの全長は約3.79m。いっぽう、新型マイクラは約3.97mで、ピクソがトゥインゴに近いサイズとすれば、マイクラより約18cm短くなる。
日産 ピクソ 市販型のプロトタイプ◆動力性能は控え、日常用途に絞る
パワートレインもトゥインゴとの共通化が見込まれる。トゥインゴと共通なら、27.5kWhのLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを搭載し、モーターは最高出力60kW(82ps)、最大トルク175Nmを発揮する。
トゥインゴ E-Tech エレクトリックは、0-100km/h加速12.1秒、最高速度130km/h、WLTPモードで263kmの航続を確保する。つまりピクソは、航続距離300km、400kmを競うEVではなく、買い物や通勤といった日常用途に狙いを絞ったシティコミューターという性格になる。
◆価格は2万ユーロ以下に抑える
ピクソでは、バッテリーを必要以上に大型化せず、車重と価格を抑えることもポイントだ。価格については、欧州で2万ユーロ(約370万円)前後、あるいは2万ユーロを下回る水準になるとの情報もある。
生産はトゥインゴと同じく、スロベニアのノヴォ・メストにあるルノーグループの工場が担当する見通し。
日産 ピクソ 市販型のプロトタイプ◆日本市場との親和性はあるが…
では、この日産最小クラスのEVは日本へ導入されるのか。日本にはすでに軽EV『サクラ』が存在する。サクラも都市部での日常利用を重視したEVであり、ピクソとはキャラクターが一部重なる。
ただし、ピクソは軽自動車規格より大きな欧州Aセグメントだ。仮に日本へ投入されれば、サクラと一般的なコンパクトカーとの間を埋めるEVというポジションになる。いっぽうで日産は、新型マイクラを『マーチ』の後継として日本に導入する計画を示していない。ピクソもまずは欧州市場を主眼としたモデルと見るべきだろう。
それでも、ピクソの全長3.8mを切るコンパクトなボディ、日常用途に割り切ったバッテリー、そして低価格という組み合わせは、日本の道路環境との親和性も高そうだ。




