世界中で“ポルシェ愛”分かち合う…「スポーツカー・トゥギャザーデー」開催、『911』責任者が語るブランドの核心

ポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデー
ポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデー全 50 枚

ポルシェは9月12日、世界各地10か所のポルシェ・エクスペリエンスセンターが連動する一大ファンイベント「ポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデー」を開催。日本では開業5周年を迎えた千葉・木更津の「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」に、1200名ものオーナーやファンが集結した。最新モデルの試乗や、トークショー、グルメを通じて、ポルシェが描く「ドライビングの歓び」を共有した。

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また、同イベントにはポルシェを象徴するスポーツカー『911』や『718シリーズ』の統括副社長をつとめるフランク・モーザー氏も来日。「日本は一大スポーツカー市場」と捉えるポルシェが考えるスポーツカーのあり方やその価値、そして911の魅力が氏の言葉で語られた。

◆世界中のファンと“ポルシェ愛”を分かち合う1日

ポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデーポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデー

ポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデーは、ポルシェのスポーツカー誕生70周年を祝福するイベントの一環として、2018年に始まった。今では、ポルシェが主催するファンイベントだけでなく、スポーツカーファンの国際的なコミュニティへと進化しているという。公式イベントだけでなく、地元のカーミーティングや仲間とのツーリングイベントも、ハッシュタグ #SCTDをつけてSNSで共有すれば、誰でも、どこでもスポーツカー・トゥギャザーデーに参加できるというユニークな取り組みだ。

ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)では、施設をフルに使い、ポルシェの歴史的車両を間近に見ることができる展示のほか、ワークショップの見学、世界のPECにちなんだグルメを楽しめるフードフェスティバル、最新モデル『カイエン』や『マカン』、『タイカン』といったポルシェのEVでコースを試乗できる体験コンテンツに、カーデザイナーやモータージャーナリストによるトークショーなどがおこなわれ、ポルシェファン、スポーツカーファンであることの喜びを分かち合う1日となった。

ポルシェジャパン代表取締役社長のイモー・ブッシュマン氏ポルシェジャパン代表取締役社長のイモー・ブッシュマン氏

オープニングイベントに登壇したポルシェジャパン代表取締役社長のイモー・ブッシュマン氏は、「世界中のポルシェファンの皆様とともに、私たちが共有するスポーツカーへの情熱、走ることの楽しさ、そして私たち全てを結びつける唯一無二のコミュニティーを祝う日」とイベントについて紹介しながら、「何よりも皆さんに伝えたいのは、今日は人が主役だということ。ポルシェを愛する仲間の方々とともに出会いを楽しんでいただき、互いのストーリーを分かち合い、かけがえのない思い出を作っていただき、さらに走ることの歓びを分かち合えるような日にしていただけたら」と来場者に呼びかけた。

また、木更津市の渡辺芳邦市長からはPEC東京が5周年を迎えることへの祝福と感謝が贈られたほか、ふるさと納税の返礼品としてPEC東京でのドライビング体験が提供されていることについても紹介。同市のふるさと納税額のおよそ3分の1がPEC東京の返礼品によるものだとし、「大変お世話になりながら一緒に発展をしているところ。ぜひ、引き続き皆様にもお越しをいただいて、このPEC東京と合わせて地域のいろんなところに足を運んでいただきたい」とアピールした。

◆「日本はスポーツカーの本当の市場」

ポルシェ 911の歴代「RS」モデルポルシェ 911の歴代「RS」モデル

同イベントの目玉となったのは多彩なトークショーだが、中でも注目されたのは「The Sports Car」と題したセッションだ。音楽プロデューサーの松任谷正隆氏とともに登壇したのは、ポルシェAGで911、718シリーズの統括副社長をつとめるフランク・モーザー氏。つまり現在のポルシェを象徴するスポーツカーブランドを舵取りする責任者が、世界各国で同時開催されるイベントの中で、あえて日本を選んで来日したということだ。これは日本市場に対する本国ポルシェの期待度の表れでもある。

モーザー氏は自ら、「スポーツカーの開発の責任者である私は今回、日本に来るという決断をした。それだけ日本市場が大事だからということ。特に『GT3』を含む、GTをたくさん売っていただいてる重要な市場だ」と語った。

また、日本のファンに対しては、「特に2ドアのスポーツカーに対する日本のお客様の情熱はやっぱりすごいものがある。お客様が、そのクルマやブランドに対して情熱を持ってくださる。実際に、これだけ会場にお客様が集まっていることを目にして本当に感動している。そして、913や996といったクラシックカーも多いのが素晴らしい。今回(来日は)2回目だが、これが最後ではないと思っている」とも語っている。

これを受けてポルシェジャパン社長のブッシュマン氏も、「彼の来日によって、日本の市場が、特にこのスポーツカーの本当の市場なんだというのを、本社に対してメッセージを発することもできる。彼が今回来てくれて本当に良かったと思っている」と喜びを語った。

◆「911は社会的に受け入れられているスポーツカー」

ポルシェAGで911、718シリーズの統括副社長をつとめるフランク・モーザー氏ポルシェAGで911、718シリーズの統括副社長をつとめるフランク・モーザー氏

トークショーに先駆けてメディアとの懇談をおこなったモーザー氏は、ポルシェの象徴である911を手がけることについて「これまでずっとポルシェが培ってきた911ならではのDNAをつなぐという非常に重要な仕事で、私にとって大きなチャレンジであることは間違いない」とした上で、911の価値については「60年以上の歴史を持つ車で、アイコニックな車になっている。アイコニックなデザインと卓越したパフォーマンスを誇るクルマではあるが、同時に日常の使い勝手の良さと、社会的に広く受け入れられている2ドアのスポーツカーであるということが、この911の特徴だと思っている」と話した。

近年ではスポーツカーブランドによるSUVの先駆けとなったカイエンだけでなく、EVのタイカンやマカンなど、旧来のスポーツカーとは異なる価値を持つモデルも続々と登場させているポルシェ。しかし、水平対向エンジンでなくとも、乗れば、あるいはその姿を見るだけでも間違いなくポルシェであることがわかる。その理由についてモーザー氏は、「すべてはR&Dセンターの優秀なチームに尽きると思う。最新のカイエンEVでも、ハンドリングや取り回しの良さなどは完璧にポルシェらしいクルマ。どのモデルを開発するときも、同じアイデア、同じ理念を持って開発に取り組んでいる」とその理由を明かした。

カイエンに次いでEV化が予告されているのが「718シリーズ」、つまり『ボクスター』や『ケイマン』だ。これらはポルシェブランドへのエントリーモデルとして重要な役割を担う。同氏はこれらがEV化されても、「ブランドにとってのエントリーモデルであるという位置付けは変わらない」と断言する。現在開発中の新型718シリーズについては、「電動化しても、他のEVに比べても重量が軽く、ハンドリングも非常に俊敏で正確。718らしさは全く失われていない」と太鼓判を押した。

ポルシェ カイエン エレクトリックポルシェ カイエン エレクトリック

◆真のポルシェに乗りたい人への“もうひとつのエントリー”

また、日本市場におけるエントリーモデルの位置付けについてはブッシュマン氏がこうも語っている。

「日本市場のポルシェのコミュニティは非常に多様化している。スポーツカーが好きで情熱を持っている方は非常に多いが、私たちにとってはカイエン(のようなSUV)もまたスポーツカーだと思っている。(初めて)ポルシェが欲しい、と思っていただく方の中にはスポーツカーだけでなく、SUVを欲しいという方もいる。単純にエントリーモデルというだけでなく、今日のイベントのようにポルシェに対して情熱を持ってくださる人が増えており、(ブランドに触れる)機会も増えている。ポルシェとしては今、中古車も重要なエントリーだという風に捉えている。ポルシェジャパンは販売店と協力をして、良質な中古車を確保するためにかなりの投資をしている。真のポルシェに乗りたいという方にとって、中古車というのもそのエントリーとして非常に今重要な役割を担っている」

911の誕生から60年超、ポルシェが世に送り出し続けたスポーツカーは、走ることの根源的な楽しさを提供するだけでなく、すでに文化として醸成されつつある。電動化時代においてもその普遍的な価値は受け継がれていく……ポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデーには、そう感じさせるだけの情熱や興奮、そしてポルシェらしい親密さがあふれていた。

ポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデーポルシェ・スポーツカー・トゥギャザーデー

《宮崎壮人》

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