全国レンタカー協会監修・イード編集及び発行の「2026自動車レンタリース年鑑」の発刊を記念して、レスポンスビジネスでは年鑑の特集からレンタカー業界の注目キーパーソンインタビュー紹介します。レンタカーはコロナ禍の2021年を除いて、30年以上ずっと右肩上がりが続くモビリティサービスの優等生。この成長の要因と課題。成長の先にある未来のモビリティのヒントが語られます。「2026 自動車レンタリース年鑑」にはすべてのインタビューおよび業界トレンドを分析する特集、法令、レンタカー事業者の一覧などが収録されています。ぜひお手にとってみてください。
人材交流は直営化の大きな成果
「三大品質」とおもてなしの新たな挑戦
ニッポンレンタカーサービス株式会社 執行役員 営業本部 業務推進部長
有山 僚(ありやま りょう)
1975年、東京都生まれ。東京都出身。1999年にニッポンレンタカー東京株式会社(現:ニッポンレンタカーアーバンネット株式会社)へ入社。同社にて営業部地区長、営業企画部長、執行役員 首都圏第一本部長などを歴任し、2025年1月、ニッポンレンタカーサービス株式会社の執行役員 業務推進部門長補佐 兼 業務推進部長に就任。
◆直営化への転換と三大品質の追求
──ニッポンレンタカーといえば、FC制度から直営化への変更が話題になりましたが、その経緯と効果を教えて下さい。
有山業務推進部長(以下、有山氏):現在、ニッポンレンタカーは全国に約500店舗を展開し、3万4,000台のレンタカーを貸し出しています。大きな転換点となったのは2018年の組織改革です。それまでのフランチャイズ(FC)制度を廃止し、グループ内の事業会社が店舗運営を担う全国直営体制へと舵を切りました。この直営化によって、エリアを跨いだ車両の融通やノウハウの共有といった「横の連携」が非常にスムーズになりました。以前は同じ看板を掲げていてもエリア同士で競合してしまう側面がありましたが、現在は全国を14の事業会社に分け、それらを本社が統括することで、グループ全体の最適化を図っています。
また、昨今の人手不足により離職防止は最優先事項です。各種の処遇改善を推し進めるだけでなく、グループ内での「人材交流」を活発化させています。例えば、地方のスタッフが東京で働いてみたい、あるいは親の介護のために地元に戻りたいといった希望に対し、事業会社を跨いで柔軟に配置転換ができるのは、直営化の大きなメリットです。これにより、経験豊かな人材を失わずに済むだけでなく、全国でノウハウが均質化される効果も生まれています。
──現在の市場の動向についてはどのように分析されていますか。
有山氏:需要の比率は、平日中心の法人利用と休日中心の個人利用で概ね1対1となっています。近年の傾向として、インバウンド需要が非常に強力な成長ドライバーとなっています。一方で、国内の法人需要はコロナ禍を経て大きく変化しました。ウェブ会議の普及により出張機会そのものが減り、法人利用はやや減少傾向にあります。また、国内の個人需要についても、物価高や旅行費用の高騰により「安くて近くて美味しいもの」といった近場へのレジャーへシフトしており、遠出が減った分、レンタカーに落とされる単価は押し下げられているのが実情です。
──インバウンド需要について、どのような取り組みをされていますか。
有山氏:当社は世界最大手のレンタカー会社である「エンタープライズ社」と提携しており、欧米のお客様には見慣れたブランドとしての安心感を提供しています。全国約130店舗でダブルブランドの看板を掲げており、この認知度の高さがインバウンドの成長に大きく寄与しています。国籍別では台湾、韓国、香港、タイといったアジア圏のお客様が中心ですが、リピーターになるほど鉄道では行けない地方へ足を延ばす傾向があり、レンタカーとの親和性は非常に高いと感じています。接客品質を上げるためインバウンドのお客様向けには、多言語翻訳機の導入やスタッフへの英語教育を強化し、窓口での対応品質を高めています。
なお上野などインバウンド比率が高い店舗では、お客様がSNSに投稿したくなるような「バズる店舗づくり」などの新しい挑戦をしています。インバウンドに限った話ではありませんが、弊社は自動車メーカー系ではないため、特定のメーカーに縛られない強みがあります。そこで古くから掲げているのが「車両・接客・店舗」の三大品質です。車両の清掃を徹底し、新車に近い状態をいかに維持するかという点には、ノウハウを蓄積しています。メーカー系ではないからこそできる、お客様一人ひとりに寄り添った「感動を与えるサービス」を追求し、移動の価値を高めていきたいと考えています。
◆モビリティ社会における店舗とサービスの未来像
──これからのモビリティ社会において、レンタカーの役割はどう変化していくとお考えですか。



