トヨタ自動車は、医療的ケア児/者向けのティルト・リクライニング付きモジュラー型車いす「Haluto(ハルト)」を2026年10月より限定台数で提供開始すると発表した。
今仙技術研究所との共同開発品で、現在は実証実験として限定台数での受け付けとなる。
◆500回超のヒアリングから生まれた製品
医療的ケア児/者向けのティルト・リクライニング付きモジュラー型車いす「Haluto」
医療的ケアやてんかん発作などへの対応が必要な人との移動には、見守りや姿勢のケア、医療機器を含む荷物の多さなど、さまざまな負担が伴う。開発チームは医療的ケア児/者とその家族に対して500回以上のヒアリングを実施し、移動中の不安や介助の負担を把握した上で、試作と改良を重ねて製品を仕上げた。
Halutoの主な特長の一つが、後ろ向きで車いすを車載する設計だ。運転席から利用者の様子を確認しやすくなり、痰の詰まりや発作などの変化に気づきやすい。停車場所を探すなど、ケアの準備に余裕を持てるよう配慮している。
利用には対象車両への架装と専用オプションが必要で、架装はミクニライフ&オートが担当する。架装可能な車両は一部の車種・型式に限られ、主に『ノア』『ヴォクシー』の車いす仕様車が対象となる。
医療的ケア児/者向けのティルト・リクライニング付きモジュラー型車いす「Haluto」
医療的ケア児/者向けのティルト・リクライニング付きモジュラー型車いす「Haluto」◆安全性と使いやすさを両立
車載時の安全性については、実際の車載シーンを想定した数百ケースの衝突計算と実機評価を実施。フレームや固定部の強度、乗員を受け止めるベルト構造、確実な車両固定と日々の使いやすさの両立を検証した。
ティルトとリクライニング両方の機構を持ち、フルフラットに近い姿勢をとることも可能なため、車いすの上でおむつ替えなども行える。
コンパクトな機体ながら、荷室には呼吸器、酸素ボンベ、吸引機、着替えなど多くの荷物を収納できる設計とした。外出時に必要な荷物を一台にまとめやすくする。また、既存の車いす仕様車に新たに開発した車いす固定装置を追加設置することで、固定作業などの手間を軽減する。
医療的ケア児/者向けのティルト・リクライニング付きモジュラー型車いす「Haluto」◆学校での使用も想定した仕様
学校で必要となるテーブル、フットブレーキ、転倒防止装置なども装備可能。身長100~160cm、体重40kgまでに対応し、成長や体格に合わせて長く使いやすい設計となっている。バックサポートはシート張り調整型とモールド型に対応する。
トヨタは「すべての人に移動の自由を」「誰も取り残さない」という考えのもと、医療的ケア児/者とその家族の移動に安全と安心を届け、行きたい場所へ踏み出せる社会の実現に貢献するとしている。




