スズキは10月11日、ファンイベント「GSX-S/Rミーティング2026」を開催した。来場者数は3087人、スズキ車を中心に2512台ものバイクが浜松工場に集まり、過去最大規模のにぎわいを見せた。
【写真72枚】「GSX-S/Rミーティング2026」の会場風景
◆鈴木社長「eスカイ晴れ」を祝福、8耐健闘を称える
スズキ GSX-S/Rミーティング2026
「GSX-S/Rミーティング2026」は、スズキを代表するスポーツバイク「GSX-S/Rシリーズ」を中心にスズキファンが集まる一大イベントで、今年は3回目の開催。9月に開催予定だった「KATANAミーティング2026」が台風の影響で中止となったこともあってか、多くのスズキファン、スズキ車オーナーが訪れたようだ。
また、「GSX-S/Rミーティング2026」としては3回目にして初の晴天となった。開会の挨拶に登壇したスズキの鈴木俊宏社長は、発表したばかりの新型軽EV『e-SKY(eスカイ)』の話題を交えながら、「爽やかな秋空の下で、GSX-S/Rミーティングを開催できることを、本当に嬉しく思います。実は今週、当社で初めての軽自動車のEV、eスカイを発表させていただきました。この時から結構、青空が広がっているのかなという風に思います」と話した。
スズキ 鈴木俊宏社長今年のGSX-Rシリーズの話題としては、4年ぶりに復活したスーパースポーツ『GSX-R1000R』と、7月に開催された「鈴鹿8耐レース」にサステナブルアイテムを使用した新型GSX-R1000Rで参戦した「チームスズキCNチャレンジ」が7位入賞を果たしたことがトピックだ。
鈴木社長は、「7位入賞以上に嬉しかったのは、スズキの社員主体のチームということで、四輪設計から人が集まってくれたり、人材開発本部から人が来てくれてチームを構成して、そういう結果を得ることができた。そして私が期待しているのは、レースの結果以上に、今回のカーボンニュートラルチームで採用したサステナブルな部品が、1日も早くお客様のもとで使われるということが重要だと思っています。そういう意味で、実用化に向けてしっかり取り組んでいくということが重要なのかなという風に思っています」と話し、今後の展開にも期待を寄せた。
◆「GSX-R1000Rは走る、曲がる、止まるに関してスズキの一番」
GSX-R1000Rトークショー同イベントでは、オリジナルグッズの販売や工場見学、スポンサー企業によるブース出展や、最新モデルの展示、またがり試乗のほか、ここでしか聞けない開発者らによるトークショーなど豊富なコンテンツが用意された。
中でも多くのファンの関心を集めたのが、「GSX-R1000Rトークショー」だ。新型GSX-R1000Rのチーフエンジニアである東郷隼也氏、エンジン設計の信太弓弦氏、エンジン実験の岩田秀矢氏が、開発秘話を披露した。新型のトピックはエンジンの進化にあるだけに、話題の中心もエンジンに関する技術解説や、開発時の苦労話、“社外秘”(会場限定)の裏話も飛び出した。
その中で、GSX-R1000Rのエンジンの耐久性、信頼性の高さについての話題では、市販エンジンと8耐で使用しているエンジンは基本的に全く同じものであることが語られた。つまりレースでの極限状態にも耐える性能を、工場のラインで生産しているということだ。なぜそれが可能なのか。その理由のひとつが、スズキが持つテストコース「竜洋コース」にあるという。
新型GSX-R1000Rのカットエンジン
新型GSX-R1000R静岡県磐田市にある竜洋コースの歴史は古く、1964年に完成。以来、スズキの二輪車、レーシングマシンはここでテストが重ねられ、世に送り出されてきた。大きな特徴が、2.3kmにも及ぶ長いストレートだ。富士スピードウェイのストレートで約1.5km、かつてのポールリカールサーキット(フランス)も1.8kmだったことと比べると、その長さがわかるだろう。
東郷氏は、「ポールリカールのストレートって長くて、エンジンの負荷が掛かって大変だと聞くんですけど、僕らにとっては大したことないですよね。竜洋の方が長いですから」と笑顔を見せる。このテストコースの過酷さはストレートだけではない。海が近く、遠州の強い横風もある。「ここで真っ直ぐ走るバイクを作る。竜洋コースがあったからこそ『ハヤブサ』が生まれたし、耐久性の硬いGSX-R1000Rが生まれたということです」(東郷氏)。道がクルマをつくる、とはよく言うが、スズキ車の信頼性、直進安定性は、まさに竜洋が生み出したもののようだ。
また東郷氏は、GSX-R1000Rについて「走る、曲がる、止まるに関しては、スズキの中でナンバーワン」と胸を張る。
新型GSX-R1000Rのチーフエンジニア、東郷隼也氏「私たちがつくるオートバイはそれぞれコンセプトがあります。例えばGSX-Sシリーズは、街のりでの扱いやすさと軽快感のナンバーワンをつくりたいとか、ハヤブサであればラグジュアリーとトルク感のナンバーワンをつくりたいとか。そういうコンセプトで作っているんですが、やっぱりGSX-Rというのは、走る、曲がる、止まるに関して、スズキの中でナンバーワンのオートバイという思いでつくっています。なので、過去のGSX-Rは、その時代その時代のスズキの走る、曲がる、止まりに関する一番が詰まっています。今回の新型GSX-R1000Rも、走る、曲がる、止まるに関しては、スズキの一番です。是非、これを味わっていただきたいと思います。後悔はさせません」(東郷氏)
来場者の中には、早くも新型GSX-R1000Rを購入して会場に駆けつけたファンの姿も見られた。今後の展開にますます注目が集まる。
◆CNチャレンジトークショーや「KATANAミーティング」復活企画も盛況
タイヤ交換ショーチームスズキCNチャレンジトークショーでは、プロジェクトリーダーの佐原伸一氏をはじめ、チームの顔として活躍する津田拓也選手、そして今年電撃参戦を果たした全日本ロードレース「JSB1000」のトップライダー水野涼選手らが登壇。レースの裏話を披露したほか、特別イベントとして、実車を使ってのレースさながらのタイヤ交換ショーやタイヤ交換体験もおこなうなど、大いに盛り上がりを見せた。
また会場では、9月に中止となった「KATANAミーティング2026」の復活企画として特設コーナーが設置され、オリジナルグッズの再販や「カタナギャラリー メッセージボード」の設置、「カタナミーティング2026 ステッカー」の配布、新旧カタナの車両展示もおこなわれ、イベントを楽しみにしていたファンの期待に応える格好となった。
本格的なツーリングシーズンを迎える中、「eスカイ晴れ」となった「GSX-S/Rミーティング2026」は、大盛況のなか幕を閉じた。
閉会後、来場者を見送る鈴木俊宏社長(左)スズキのファンミーティングとしては、11月8日に「Vストロームミーティング 2026」が開催予定だ。会場は今回と同じ静岡県浜松市浜名区都田町にあるスズキ浜松工場内の特設会場。開催時間は10時から14時(開場は9時)で、入場料は無料となっている。




