2年後、IMT-2000の導入でモバイル環境は大きく変貌する

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モバイルの最新技術を紹介するMO(モバイルフォーラム)開催

10月12日、東京・千代田区の弘済会館においてモバイルの最新テクノロジーを紹介するMO(モバイルフォーラム)が開催された(主催:ハイパーメディア・コンソーシアム)。フォーラムではモバイル通信の最新動向やDVDカーナビゲーションの現状など、モバイルにおける最新技術の現状や今後発展する可能性などを紹介した。

最初に行われた『モバイル通信技術の最新動向』では、富士通の移動通信端末事業部・主席部長、都甲昌邦氏が講演を行った。内容は、携帯端末の市場動向から今後導入される予定のIMT-2000移動通信について、さらにシステムとしての連携、携帯端末の主要技術についてが中心。


IMT-2000で携帯端末は大きな変貌を遂げると説明する富士通の都甲昌邦氏

講演ではまず約5000万台弱にまで急成長した携帯端末は2004年〜2006年には固定電話を加入者数で上回ると予測し、さらに2001年にスタートするW-CDMAに代表されるIMT-2000のスタートによって、これまでの音声サービスよりもインターネットなどでの利用が著しい伸びを見せると解説。今後の携帯端末の利用者拡大にはインターネットがキーになることは間違いないとし、最高2Mbpsという高速通信が実現可能なIMT-2000への期待の大きさを語った。

同時に相手の状態を知ることでコミュニケーションの新しいマナーの形態と効率の良いビジネスでの使用が可能になる『アウェアネスコミューケーション』が始まりつつあるとの認識があることを説明。これはシステムの核となる「アウェアネスサーバ」が様々なコミュケーションをプールしておき、必要に応じて利用者が取り出せるようなシステムがいっそう利用されていくというものだ。

しかし、これには携帯端末の特性に適したプロトコル/言語などの採用や通信方式に依存しない構成を持ったWAPが必要となり、JAVAや様々なモバイルエージョンとの登場がこういった世界を作り上げていくことになっていくという。


NTTドコモが進めるW-CDMAでは音声と映像を使った通話がごく普通に行われるようになる。写真はNTTドコモのW-CDMA試作機

さらに携帯端末の様々な技術については、音声コーデックと画像コーデックの技術動向を説明した後、携帯電話やパソコンなどのデータ端末などをつなぐインターフェイスについて言及し、今後はUSBが主力となっていき、W-CDMAでは2.4GHz微弱電波を使って10〜15m離れた場所で通信ができる『BlueTooth』が採用されるとの説明もあった。

『DVDナビゲーションの発展過程と今後』と題した講演では、カーナビゲーションを発売して以来10年目を迎えてDVDという新しいメディアに変わりつつある現状と今後をパイオニアMEC事業企画部・ナビゲーション企画課主席の高木晴彦氏が解説した。

通信メディアの普及によってリアルタイム情報を取り込むのが当たり前の時代がやってくる語るパイオニアの高木晴彦氏

講演ではカーナビゲーションの歴史をおさらいした後、カーナビゲーションが現在年間150万台を超える市場を獲得し、3年後の2002年には250万台規模にまで拡大するとの予測。純正ナビ比率は年々高まっており、その2/3が純正ナビで占められるとの状況を説明した。海外では北米よりも欧州での市場拡大が目立ち、2002年には現在の日本並みの市場規模が期待されているとの予測も出ているという。

続いてカーナビゲーションの基本的な仕組みについての説明があった。GPS(衛星で測位すること)を基本とし、これに車速パルスやジャイロセンサー、マップマッチング技術が加わって現在のカーナビの精度を支えていると解説。さらに情報量の拡大によってD-ROMからDVD-ROMへとメディアの変換も急速に進んだことの説明が行われた。


11月上旬にもパイオニアから発売されるDVDカーナビの廉価モデル・AVIC-D6500(価格24万8000円) 

その後、同社のDVDカーナビの機能紹介を行った後、カーナビゲーションはパッケージメディアから通信メディアへと変化してきていると指摘。単にROMだけで情報を得るのではなく、普及が進んでいる携帯電話を使ってリアルタイム情報を取り込んでより多彩な使い方が可能になってきていると説明した。今後、携帯電話の通話料金のパケット化や高速データレート化によってこれらはいっそう進んでいくと予測しており、こちらでもIMT-2000の実現がカーナビゲーションの環境を大きく変えていくと説明した。

とくに会場では、行き先などの天気予報が地図画面上にリンクできる機能の紹介も行われ、リアルタイム情報を取り込むことでのメリットを示し、会場からは感嘆の声も漏れていた。同時に携帯電話を使う以上、ハンズフリー化も避けては通れない問題で、この面での使い勝手の良さも重要となっているとした。

また、カーナビゲーションを通してのITSへの取り組みも説明され、VICSをはじめ、ETCを含む様々な機能の実現によって、交通の安全性アップ、円滑化、環境改善による快適性アップなどが実現するとの説明も行われた。

《会田肇》

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