【東京ショーD視点 Vol. 12】ユーロ・デザインで迫るレガシィ

自動車 ニューモデル モーターショー
スバル・スタンドでデザインの観点からの注目は、まずレガシィB4『ブリッツェン』だ。ショー向けのドレスアップ・モデルだが、ほぼこのまま量産される。

デザインしたのはポルシェ・デザイン社。ポルシェ博士の孫で、911や914をデザインしたF.A.ポルシェが自動車メーカーのポルシェを辞して自ら立ち上げたデザイン会社だ。ポルシェ・デザインは本拠をオーストリアに置き、腕時計や鞄をはじめ様々な工業製品をデザインしている。ポルシェAG(自動車メーカー)とは一方が他方の資本をもつというような関係ではなく、互いに独立した別会社なのでお間違えなきよう。


レガシィB4ブリッツェン

取って付けたようなウィングやおどろおどろしいラインの後付けパーツは用いておらず、ソリッドで一体感のあるユーロ・テイストのデザインを見せる。外国人ジャーナリストやプロのデザイナーたちに評価の高かった1台。

赤い車体色やふたつに分かれたバンパー・グリルから、短絡的に「フェラーリ360モデナに似ている」とする声も聞かれるが、実物を立体的に見れば全然違うということがわかる。雑誌の写真だけを見て全部を知ったような気になってはいけない。


フリートX

『フリートX』は一言でいって軽量化を追求したレガシィ(レガシィ比-30%)だ。そのために通常は量産車には使われないような様々な素材を用いている。ボンネットやドアはアルミの磨き出し、塗装された前後フェンダーは樹脂というように、外観の塗分けは素材の違いを示唆する。

スタイリングのモチーフは飛行機だというが(ご存知の通り富士重は飛行機も作っている)、だとしたらモデルはフォード・トライモーター、ユンカースJu52/3mあたりか。


エルテン・カスタム

エルキャパ(95年)、エルテン(97年)とスバルが研究を続けてきた、内燃機関+電気のスモール・ハイブリッドが『エルテン・カスタム』。スバルらしいのは4WDでCVTを採用していること。エルテン・カスタムではついに3ℓカーとなった。

ショー向けのあざといスタイリング演出を除いてすぐにでも量産できそうだが、経済(経営)的に見て、スバルにエルテン・カスタムを量産化開発に移行できるだけの体力があるだろうか。一連の業界再編の動きが追い風になってほしい。

《高木啓》

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