【メディアウォッチ座談会】ビバ、自動車雑誌! 4誌を比べる

モータースポーツ/エンタメ 出版物

『ドライバー』11月20号、『ベストカー』11月26日号、
『CARトップ』99年12月号、『XaCAR』99年12月号

S  ここでは自動車総合誌4誌の合評をしてみます。『ドライバー』11月20号と『ベストカー』11月26日号は隔週刊、『CARトップ』99年12月号と『XaCAR』99年12月号は月刊です。まずは『ドライバー』から。

M どの雑誌も東京モーターショー総特集を組んでいるんだけど、『ドライバー』は[国産全モデル]型録というのをやっている。隔週誌なのにカタログ形式が得意で「買っておかねば」という気にさせるのが老舗らしく上手ですね。

S そうとうなボリュームを割いてますね。自動車雑誌がモーターショーでやりそうな企画は全部押さえているし、情報もそつなく網羅して、うまくまとめている。とりあえず買いたいと思わせるあたり、さすがです。

T モーターショー当日発売の本だから、ほかのモーターショー・ガイドブックより編集作業に余裕が感じられますね。レイアウトのまとめ方や写真もきれいだし。

S 良くまとまっていて、これと言った欠点もないし、トヨタ・マークIIのような雑誌ですね(笑)。

T 一般読者による、デザイン画コンテストが相変わらず続いているところも好感が持てますね。

S 『ベストカー』のモーターショー特集は、「トヨタNCSVは次期レビン/トレノだ!」とか「各メーカーの2000年モデルはこうなる!」などと、強引ともいえる「言いきり」をしているところが痛快です。

M 同じコンセプトカーを紹介するなら「これは次期○○だ!」といってくれた方が、読者としては面白いですからね。

F 石原都知事のディーゼル排斥運動に対抗した企画で、子息の石原伸晃・衆議院議員に最新のディーゼル車に試乗させたのも面白かったね。

S 『ベストカー』は昔から面白い企画をたてるのが上手ですね。こういうユーモア精神こそ『ニューモデルマガジンX』に欲しい。

M 見出しとか企画の面白さで勝負してるあたり、まさに週刊誌的だといえましょう。

F 『ベストカー』とくらべると、同じような体裁の『CARトップ』は元気がないですね。月刊だというのに、旧態依然とした自動車誌風の作り方では勝負は難しい。

T 『CARトップ』の独自性は「モーターショー32年史」くらいしかないですね。

S この手の本の読者には、意外にリピーターは少なくて、「クルマを買おうと思ったときだけ雑誌を買う」という浮動票読者が多いそうです。そのせいか、いから。『CARトップ』は『CARトップ』でも『ドライバー』でも、どの本を買ってもいい、というような「マニアでない人」に向けて作られている気がする。

T だから「32年史」という現在のクルマに詳しくない人にもアピールできるオマケが効果があるのかな。

S 『XaCAR』は国産車から外車、チューンドカーにドレスアップカーと、扱うジャンルがとても広くて、総合情報誌を目指しているのは分かるけど…。

T どうもモザイク的な寄せ集め感がある。

F でもパワーはあるよ。巻頭の「土屋圭一、もてぎでインプレッサWRC各車を独占試乗」なんて特集はお金がかかってるし、有名人は出てるし、好きな人は買うでしょう。

T たしかに、毎号こうした「一発ネタ」は凄い。けど雑誌全体に一貫性はないなあ。

S 『XaCAR』も早くも東京モーターショーのナマ取材を載せていますね。ドリキンと鈴木亜久里氏が解説している。

T 関谷正徳に中谷明彦、青木拓磨と、レーサーだけでもたくさん登場して、なんだか、テレビのお正月の豪華バラエティみたいな雑誌ですね。なんでもあって、有名人もいっぱい出てくる。ひとつひとつの記事も力が入っている。だけど、寄せ集め感が強い。

M だから逆にモーターショーのナマ取材もかすんじゃう。これでもかとやればやるほど、読んでいる方も疲れちゃう。

S それぞれの記事が専門的すぎるのかな。興味のない分野の記事を読まない人も多いんじゃないかな。立ち読みで終わってしまう可能性もありますね。

F もったいないよね。内容を小出しにして週刊にした方が、読みやすくて売れるんじゃないのかな。

座談会メンバー
S:陶山 拓(まとめ)
M:三浦和也(auto-ASCII24)
T:高木 啓(auto-ASCII24)
F:藤田耕治(auto-ASCII24)

《》

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