【東京ショーD視点 Vol. 13】ホンダ“不夜城”が提案するパッケージングの改革

自動車 ニューモデル モーターショー
ホンダのショーカーの共通テーマは『楽しさ』=ファン・ビークル。これをキーワードにして全社のデザイン部でデザイン・コンペが開催され、各拠点からコンセプトカーが1台づつ出展された。和光からFCX、アメリカ研究所からスポケット、ヨーロッパ研究所からノイコム、そして先行開発研究所的な役割を果たしているWAVE(ウェイヴ。東京都中央区)がデザインしたのが“不夜城”。

デザイナーは本間美樹(よしき)アシスタント・チーフデザイナー。「キーワードをもとに思いのままにデザインしたら提案が通っちゃいました」と本間は笑う。「スケートボードやサーフィンのように、簡単なツールで遊ぶスポーツ、ゲームが人気になっている。そういった軽くて小さい移動ギアをめざした。いわば“タウン・ボード・ビークル”」

最大の特徴はインテリア。「長距離は走らないシティカーなので、深く腰掛けるシートは必要無い。そこで浅く腰掛けて、体を直立ぎみに寄り掛からせるようなシートをデザインした。スケボーやスノボーの立ち乗り感覚ですね」 ショーカーなので綿密な試験は行なっていないが、乗り心地や安全性などを考慮しても、実現性が0%というような無理なポジションではないという。

ドライバーが立ち姿勢になったので、ハンドルを握る姿をディスクジョッキーに見立てて、室内をクラブハウスふうにしたのは副産物。同じ乗車定員で車両全長が短くできるのがこの乗車姿勢の利点だ。シティ・コミューターとしてぜひ研究を継続してほしい。とうぜん車高は高くなり、そそり立つ城郭のようになった。そこで付いた名前が“不夜城”。ショー向けの演出に隠れたこのクルマの長所を見のがさないようにしよう。

「でもウチのことだから、ショーでの人気がいいようだったらノリだけで量産化しちゃうかも知れませんね」と本間アシスタント・チーフデザイナー。


《高木啓》

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