自賠責保険、重度後遺障害の保険金引き上げを検討

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自賠責保険のあり方について検討している金融監督庁の自賠責審議会は、交通事故で介護が必要なほどの被害を受けた重度後遺障害者の保険金支払い限度額を引き上げることを検討する。この重度後遺障害者の保険金の引き上げについては損害保険会社が反対している。しかし介護保険制度が来年4月から始まるなどの中で、交通事故の重度後遺障害者だけが取り残されるおそれがあるため、引き上げる方向で改めて検討する。

自賠責保険については政府再保険制度の見直し以外でも、被害者の過失が100%の死亡無責任事故の場合保険金がもらえないことや、重度後遺障害者の保険金が現行の3000万円では低すぎるなどの意見がある。実際、自賠責保険の運用益は官民合わせて約1兆8000億円あり、これらの保険料の値下げや被害者の定義範囲を拡大したり、保険金を引き上げるべきとの意見がある。

自賠責審議会では、金銭的負担の大きい重度後遺障害者の保険金引き上げ、保険料の引き下げを検討することを確認した。ただ損害保険会社は、重度後遺障害者の保険金引き上げについては「ほとんどのユーザーが任意保険に入っており、保険金を引き上げる意味が無い」としてこれに反対している。本音では、保険料値下げ競争で任意保険は利益率が低下しているため自賠責の保険金支払いを抑えたいのであり、また自賠責を手厚くすることで任意保険の加入率が落ちることを懸念していると見られる。

自賠責審議会は、今後も検討を重ね来年2月に結論を出す予定だ。 自賠責審議会の議事録は金融監督庁のホームページで。

《レスポンス編集部》

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