自賠責保険、格差解消で中高年ダウン/若者アップ

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運輸省は、自賠責保険の支払いについて地域間の格差を是正する。すでに裁判所レベルでの保険金支払いで、地域間格差を無くすことで合意したことから、自賠責支払いの段階で格差を解消する。支払基準、損害補てん基準の変更は、今年からスタート、各損保などが初回に保険金を提示するケースから適用される。

交通事故による保険金の算定では、全年齢平均賃金を基礎とするライプニッツ係数で算定する東京方式と、初任給と新ホフマン係数で算定する大阪方式があり、似たような事例でも地域によって保険金が約2200万円も格差が生じていた。

昨年11月に東京、名古屋、大阪の各地方裁判所が「交通事故の逸失利益の算定法式についての共同提言」を公表し、地域間格差の是正に乗り出したのを受けて、運輸省としても自賠責保険の地域間格差を解消する。

裁判所の共同提言では、逸失利益の算定は、幼児などの未就労者の基礎収入に全年齢平均賃金を採用し、将来分の収入はライプニッツ係数を使用して複利で今の価値に割り戻す東京方式に統一する。自賠責保険の保険金支払いでも算定法式を共同提言に準拠し、ケースバイケースで適用することになっている場合は被害者の不利にならないよう画一的基準を策定する。

今回の改正によって保険金は基礎収入に乗じる係数は小さくため、全般的には中高年の逸失利益が減額となり、若者が従来より増額となる。また、自賠責では被害者に不利とならないよう裁判所の共同提言に反しない範囲で基礎収入の額をできるだけ高めに設定することにしている。

運輸省の試算では18歳の男子高校生が被害者で死亡し、両親がいる場合、現行の保険料2766万円が4575万円(3000万円を超える部分は任意保険)、36歳会社員が被害者で死亡し、配偶者と子供2人がいる場合は、現行が6305万円が改正後は5337万円に減る。

《レスポンス編集部》

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