【ボンドカーの真実を探る Vol. 6】「クルマは壊さないで返してくれたまえ」

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ボンドカーはMI-6の武器担当セクション“Q”課が用意する。写真は『トゥモロー・ネバー・ダイ』でミスター“Q”がボンドに対しBMW『750iL』改を渡そうとしているところ。Qは「ブースロイド少佐」という役名をもつが、たいてい所属部署名で呼ばれる。

背後の檻の豹にお気付きだろうか。Qがコンテナを間違えて開けるとBMW(ドイツ車)ではなくジャガー(イギリス車)がいたというくすぐりだったが、刺激が強いと判断されたのか編集でカットされたそうだ。そのせいあってか、次回作からボンドカーはジャガーと同じフォード・グループのアストンマーチンになるようだ。

長年Qを演じてきたデズモンド・リューウェリンは、昨年12月19日、映画封切り直前に交通事故でなくなった。自伝のサイン会からの帰途ロンドン近郊で、リューウェリンの運転するルノー『メガーヌ』はフィアット『ブラーバ』と正面衝突を起こした。当局は、天候は原因ではないとコメントしただけで事故原因は明らかにされていない。

最新作『ワールド・イズ・ノット・イナフ』の後、次回作にリューウェリンがQとして出演するかどうかがファンの間ではひとつの話題になっていたが、こんな形で答えが出ようとは……。

《高木啓》

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