運輸省、自賠責再保険をやめる条件として天下り先確保を要求

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運輸省は、自賠責保険の政府再保険制度を廃止するための条件をまとめた。

自賠責保険料の6割は損保会社の倒産に備えて政府再保険制度として政府に集められ、運輸省はこれを運用して交通被害者救済対策、自動車事故対策センターの運営費用などに当てている。この運用益が2兆円。民間損保が再保険の意義は薄れたとして廃止を求めてきた。

運輸省がまとめた政府再保険の廃止の条件は、自賠責保険金の支払い、政府保障事業であるひき逃げ、無保険車事故による被害者の救済対策として自賠責保険紛争審査会を設置することだ。損保会社はどちらかというと大蔵省管轄という意識が強く、再保険を廃止した場合、運輸省は自らの影響力が無くなることを警戒していた。

審査会を設置すれば、引き続き損保に対しての睨みが効くし、新たな天下り機関が設けられる。今までは実質的に政府再保険の運用益を運輸省の天下り先のひとつ、事故対策センターの運営費用として活用していたが、これについても損保会社などから賦課金を徴収する制度を新たに創設する。しかし、損保会社が自腹を切るわけはもちろんなく、新たに発生する賦課金分を保険料に上乗せすることで、結果的に負担はユーザーにまわってくるのだ。

運輸省職員の受け皿となる新たな機関の設置と、その運用財源の確保がなされるなら、運輸省は政府再保険を廃止しても良いとの方針を示したものだが、これでは被害者救済のための資金ではなく、運輸省救済のための資金だとしか言いようがない。

《レスポンス編集部》

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