今のディーゼル問題より10年後の理想論 〜 今年も間の抜けた環境白書

エコカー 燃費

政府は「平成十二年(2000年)版環境白書」を閣議決定した。白書では、グリーン購入、グリーン消費の重要性を強く打ち出したのが大きな特徴だが、肝心のディーゼル問題についてはほとんど触れられていない。

環境白書は「平成十一年度(1999年度)環境の状況に関する年次報告」と「平成十二年度(2000年度)において講じようとする環境の保全に関する施策」をまとめたもの。白書の目玉は環境負荷の少ないものを優先的に購入するグリーン購入が、製品などを供給する企業などにも意識改革を迫り、環境負荷の少ない製品の供給を促すため、大きな影響を与えることを指摘している。消費のグリーン化も取り上げた。

また、家庭におけるエネルギーの使用方法を見直し、環境負荷の低減を図ったり、自動車の共有化についても触れている。一台の自動車を複数の世帯が共有するカーシェアリングで、環境負荷の低減を図りつつ利便性、快適性を維持する一つのモデルとして紹介している。

ところが、世間でこんなにもディーゼル車の排ガス問題で騒がれているにもかかわらず、白書にはディーゼル車問題について検討されたという記載はほとんど無し。どちらかといえば、緊急に対策を講じる必要があるディーゼル車問題より、10年先の環境問題の指摘が中心だ。結局は今年も理想論に終始するという、相変わらず間の抜けた白書となった。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
  2. ニックネームは“赤いコスモ”、50年前に登場した2代目ロータリースポーツ【懐かしのカーカタログ】
  3. 【レンジローバー ヴェラール 新型試乗】ああ、紛うことなくレンジローバーだ…島崎七生人
  4. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
  5. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る