【トリノショー直前特集】世界のカリスマデザイナーたち(その1)ブルーノ・サッコ/メルセデスベンツ

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メルセデス・ベンツといえば、まず思い浮かべるのがドイツ的な機能主義にもとづくデザイン。無骨ではあるが、機能美にあふれたスタイリングは、機械式カメラやクロノグラフの腕時計のような精密機械を思わせ、まさに質実剛健という形容が似合う。しかし、それを手がけてきたのが、じつはイタリア人なのだ。

ブルーノ・サッコ。40年以上に渡り、メルセデスのデザインを作り続けてきたインハウス・デザイナーである。

初期の代表作である190シリーズでは、メルセデス初のコンパクトカーをそれまでの高級車ブランドのイメージを損なうことなく、ソフトランディングさせた。「伝統は重要なもの。だからといってそのためにすべてを犠牲にするのは愚かなこと」とサッコはいう。以降に発表されたW124(旧Eクラス)やCLK、SLKといった作品でも、フロントグリル周辺にはひとめでメルセデスとわかるモチーフを残しながらも、斬新なスタイリングを共存させてきた。伝統と革新の融合こそがサッコの真骨頂ともいえる。

自己主張と個性が色濃く反映されるデザインハウスや他のデザイナーに対して、サッコのデザインはあくまでもメルセデス・ベンツの名のもとに控えめだ。しかし、それこそがブランドロイヤリティを裏切ることなく、いつまでも色褪せることのないカースタイリングの魅力でもある。

●BRUNO SACCO
1933年イタリア生まれ。トリノ工科大学で学び、ギア社でボディデザインを担当する。58年にダイムラー・ベンツ入社。ボディデザイン部長、スタイリング部長など要職を歴任し、メルセデス・スタイリングの最高責任者となる。99年引退。

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