【どうなるJNCAP!? Vol.3】運輸省はトップメーカーの言いなりなのか?

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【どうなるJNCAP!? Vol.3】運輸省はトップメーカーの言いなりなのか?
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今年のJNCAPには、実はもうひとつの疑問がある。それは昨年度まで4車種だった1メーカー当たりの上限、それを6車種に拡大したことだ。今年は選定の基準に販売台数が挙げられている。それを基準にした場合、今年の新車販売ランキングで上位を独占しているトヨタ自動車が増えるのは誰でも予想ができる。問題は「なぜ、今年に限って上限台数を増やしたのか?」ということ。これはオフセット前面衝突試験を今年から始めることに関係がありそうだ。

これまでのJNCAPの試験結果を見ると、日産自動車の成績が高いのが目立つ。これは日産が「ニッサンはトリプルA」と、JNCAPの結果を新聞広告で積極的に活用していることを見ても分かる。対するトップメーカーのトヨタは成績が高いとは決して言えない。安全性の高さが売りだった『ヴィッツ』の成績も良かったとは言えないのである。そして、そのトヨタが「ぜひやるべきだ」と、かねてから主張していたのがオフセット前面衝突試験の実施だ。

オフセット前面衝突試験は、自動車の片面だけを衝突させる方式。自動車前部の全面を衝突させるフルラップ前面衝突とは、安全対策ではトレードオフの関係にあると言われている。つまりフルラップ重視ならボディ構造を固くすれば良い結果がでるが、オフセット重視にするならボディ構造を柔軟にして衝撃を吸収する構造にする必要がある。

そしてトヨタは実際の衝突事故で頻発するオフセット方式を重視して設計しているので、フルラップ式のJNCAPの試験結果は良くなかったと主張してきた。つまり今回、JNCAPでオフセットを実施するのに合わせてトヨタのテスト車を増やすようにしたようだ。トヨタの自信も凄いものだが、それに従ってしまう運輸省もどうかという気がする。

ちなみに「1メーカー上限6車種」として、上限いっぱいの6車種を試験するのはトヨタだけなのだ。

《レスポンス編集部》

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