三菱自動車工業が大量のクレーム情報を隠し、リコール隠しを行なっていた事件で、運輸省は8日にも三菱自動車を道路運送車両法で禁止されている虚偽報告で警視庁に刑事告発するとともに、東京地裁にリコール隠しの疑いで行政処分を通知する。
同社は約30年間の長期間にわたってクレーム情報を二重に管理、運輸省の立ち入り検査の際に大部分を提出しなかった。隠したクレーム情報には秘匿を示す「H」のマークを付け、これは担当者に代々引き継がれており、一部の役員もこれを知っていたとみられる。つまりこれらの行為は組織的に行われてきたということだ。また運輸大臣に届けずに回収・修理するリコール隠しを「指示改修」として販売店に指示、これを少なくとも4件はやっていた。
運輸省はクレーム情報隠しの虚偽報告について、被疑者不祥のまま警視庁へ刑事告発するとともに、リコール隠しも道路運送車両法違反で地裁に通知する。警視庁では、すでに3回にわたって、同社本社や工場、社長室、幹部宅に家宅捜索しており、容疑を固めている。
道路運送車両法違反が固まれれば、クレーム情報隠しについては最高で20万円の罰金、リコール隠しは1件につき最高100万円の過料に処される。