【安田有三が斬る】三菱リコール問題分析(3):認識のない現場

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【安田有三が斬る】三菱リコール問題分析(3):認識のない現場
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いやぁ、スケープゴートにされてしまいました……。三菱自動車工業が約30年にわたり、組織的に行ってきた欠陥車情報隠しについて取材に訪れた、ある全国紙の経済部(自動車担当)記者に、三菱自動車の広報部員はヘラヘラ笑いながら、こう語った。欠陥車情報隠しに対する世論の批判が集中している最中にもかかわらず、事の重大性をまったく認識していない発言に、この記者は強い憤りを覚えたそうである。

事の重大性とは、三菱自動車による欠陥車情報隠しが、自動車業界全体に悪影響を及ぼしかねない気配をみせていることを指している。リコール制度(回収・無償修理)の見直し気運が高まっていることが、それである。

1969年にスタートしたリコール制度はこれまで、自動車メーカーの手によって運営されてきた。ユーザーからの故障や不具合などのクレーム情報は、自動車メーカーや販売会社に寄せられ、自動車メーカーが検査して、その結果、故障や不具合が明らかになった場合には、運輸省にリコールの届け出を行い、故障や不具合が生じた同種のクルマ全てを無料で修理してきた。

「運輸省はユーザーからのクレーム情報を自分たちが処理するのが面倒だから、自動車メーカーに全て任せてきたんです」(自動車業界関係者) ところが、運輸省は三菱自動車による欠陥車情報隠しが発覚したのを機に、運輸省主導となるようにリコール制度の見直しを画策しているというのである。

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