「暴言ではない」という運転手の主張、認められる

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「暴言ではない」という運転手の主張、認められる
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理由のない停職処分を受けたとして、京都市交通局を相手に同交通局所属のバス運転手が総額510万円の賠償請求を行っていた裁判で、京都地裁は「懲戒処分は明らかに行きすぎ」として、市に対して50万円の支払いと、懲戒処分の取り消しを命じる判決を言い渡した。

これは1998年の3月、この運転手が乗務中にバスを発車させようとしたところ、遠足中の小学生の集団が走り寄ってきてバスの発車を妨害したため、やむを得ず停車し、この小学生の集団をバスに乗車させた。問題が発生したのはバスの降車時で、この運転手が小学生を引率していた教師に対して「バスを止めるということがどれだけ危険かわかっているんですか!?」と注意したところ、後日この教師が「運転手の言葉遣いが悪すぎる」と、猛烈な苦情を市の交通局に寄せた。

その ため交通局はこの運転手に対して乗務停止と、接客に関しての特別研修を命じた。しかし、この運転手は処分命令に対して「私の何が悪いのか?」と反論したため、反省がみられないとして無期限の乗務停止と3カ月間の停職処分にした。

今日の判決で裁判長は「交通局が主張するような荒っぽい運転や、乗客に迷惑を掛けた事実は認められず、教師に対しての注意も運行の安全上やむをえないもの」と判断、そして「運転手に職務命令違反に評価される行為はなく、したがって懲戒の事由も存在しない」として、交通局敗訴の判決を言い渡した。

市側の弁護士は「主張が認められず残念」としているが、一般的に見ても非常識な抗議を行った教師に責任があるような気もするが…。

《石田真一》

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