エンジンワークス化へF1の未来……トヨタ参入と同時?

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
エンジンワークス化へF1の未来……トヨタ参入と同時?
エンジンワークス化へF1の未来……トヨタ参入と同時? 全 4 枚 拡大写真
今シーズン最後のグランプリもフェラーリが勝利し、伝統のスクーデリアは見事21年ぶりのコンストラクターズとドライバーズのダブルタイトルを獲得した。それにしても、今シーズンはマクラーレンとフェラーリ以外は勝利チームがない“2強とその他”というシーズンだった。

今年はたまたまフェラーリとマクラーレンというチームの接戦だっただけに盛り上がりを見せたが、もしこれがウイリアムズとマクラーレン、もしくはベネトンとウイリアムズというシーズンだったらどうだったろうか?

ここ数年言われているのは、ワークスチームとそれ以外のチーム格差。昔と違い、F1チームは12チームまでとレギュレーションで決まっているので、新興チームが出てこられる要素はない。よって予備予選や予選での下位チーム振り落としといった事態を見ることはなくなった。

だが、選ばれし12チーム内で優勝を争うのが2チーム、多くても3チームという状況が続くとカテゴリー全体のマンネリ化を呼び、F1人気が落ちていくことにもなりかねない。テレビを見ていてもトップ2チームとミナルディとの差はハッキリわかるだろう(三浦編集長が「つまらない」という理由かな?)。

さて、こうした事態について、実はパドック内にも危機感を持っている人間は多数いる。だがトップチームのスタッフは状況を理解しつつも自分たちのアドバンテージが減るような真似は決してしないために、遅々として進まないのが現状だ。

この問題について中堅チームのチームオーナーやエンジニアに現状を打破する最も良い方法を聞くと、みなが口をそろえてエンジンビルダーに複数チームへのエンジン供給を義務づけることだと言う。つまりメルセデス・エンジンをマクラーレンとプロスト(プロストは来季からフェラーリ・エンジンを使用する)、フェラーリ・エンジンをフェラーリとザウバーと言った具合にひとつのエンジンを複数チームに供給することでチーム力の格差を減らそうというのだ。

もちろん、まったく同じスペックのエンジンを使ってもチーム力で大きな差は生まれるが、現在のミナルディのような惨状はあり得ないというのだ。それどころか、今シーズンのBARとジョーダンのようにトップチームとは違った争いに観客の注目が集まるはずだ。

この方法はエンジンビルダーにも多くのメリットがある。つまり、異なったシャシーのデータが2種類、同じシャシーながら違うドライバーのデータが2種類、計4種類の異なったデータを収集することで、より広範囲のエンジン開発ができるはずなのだ。

エンジン共有化という方向については、バーニー・エクレストンも興味を示している。最近パドックでインタビューを受けるバーニーは、ミナルディのようなチームが入賞争いに参加することがF1をよりプロフェッショナルなトップカテゴリーだと印象づけることだと認めている。そのために可能な手だてを考えたいと……。

近い将来、自動車メーカーがF1の株式を保有しカテゴリー自体に発言権を持つとき、その権利と引き換えにエンジンの安定供給を求められる可能性は非常に高い。そして、この話題が真剣に協議されるのはトヨタがF1に参戦する2002年あたりになるのではないだろうか。

《編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  4. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
  5. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る