【世界一の燃費男 その1】宮野滋、挑戦の歴史

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【世界一の燃費男 その1】宮野滋、挑戦の歴史
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2000年6月、熊本の開業医、宮野滋氏が挑んだ燃費世界記録の全行程を、本人自ら執筆する。今日はその第一回【準備編】。

ギネスブックにイギリス1周の燃費記録があるのを知ったのは1986年の事だった。日本の雑誌に、イギリスの警官2人がヴォクスホール『ベルモント』(オペル『カデット』の英国版)でイギリスを1周し、15.34Km/リットルでギネスブックの燃費記録を作ったという記事が載ったのだ。開業医の自分にでもこれなら挑戦できそうだと考え、さっそくギネスブックに問い合わせの手紙を出した。

送られてきた規則書を読んでみると、「生産型の標準車」であれば排気量も製造年も規定はなかったが、省燃費オイルを選択したり、タイヤの空気圧を高めたりという程度の改造以外には燃費向上のための改造は不可とのことだった。元々燃費の良い車を使って、イギリスの海岸線に沿った指定コース約6000Kmを180時間以内に走ってその燃費を競うという挑戦であった。

初挑戦は88年6月。日本から運んだ中古のトヨタ『S800』と、借り物の『スターレット』ディーゼルで挑戦した。しかし、何の戦略もない上にサポートカーの中で交代で眠るという無謀な挑戦であったため、疲労困ぱいでようやく走りきったという感じであった。結果は、S800が20.33km/リットル、スターレット・ディーゼルが23.55km/リットル。

1年前だったら認定記録となっただろうが、直前に記録されていたフォード『フィエスタ』ディーゼルの30.16km/リットルという記録の前にはなすすべが無かった。しかしこの失敗は大きな教訓となった。記録挑戦のための貴重な経験を得ることができたのだ。

ディーゼルとガソリンの記録が分けられる事になった後の92年の挑戦では、ホンダ『シビックEti』(ガソリン)で27.93km/リットルをマークし、とうとうギネス認定証を手にした。同じくシビックで再挑戦した翌93年には、30.42km/リットルまで記録を伸ばして2枚目のギネス認定証を貰った。この記録は7年もの間破られる事はなかった。

その後、トヨタ『プリウス』による挑戦を企画したが、事前のテスト結果では記録更新の確証が得られずに断念。しかし、ホンダ『インサイト』なら記録更新ができると直感し、さっそくその準備に取りかかったのだった。

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