アストンマーチンは6.0リットルV12を搭載した2シーター・スーパーカー『V12バンキッシュ』を発表した。これにより同じフォード・グループで、『XK』シリーズや『Fタイプ』をもつジャガーとの性格分けがハッキリしてきた。
フォード内でアストンマーチンやジャガーなどの高級車ブランドを統括するウォルフガング・ライツレは、「アストンマーチンは未来の技術の“パスファインダー”だ」という。つまり筋道を見つける使命があり、そのためにV12エンジンやアルミボディ、炭素繊維ボディといった最先端技術を採用する。
いや、マクラーレン『F1』のほうが技術的に優れている、という人がいるかもしれない。「スペースシャトルをエアバスと比較してスペースシャトルが優れている、と言うようなものだ」とライツレは反論する。「F1とスペースシャトルはコストを考慮していない。バンキッシュとエアバスは現実的な価格でまとまった数が販売され、利益をあげなければならない」
比較の問題だろうが、高級車の高価格は高度技術のためとはいえ、無茶な値段にはならないということか。生産はすでに始まってもおかしくない頃だが、価格はまだ発表されていない。
いっぽうスタイリングの点では、ジャガーが“プアマンズ・アストン”にならないように差異化が図られた印象。アストンの方がはるかにアグレッシブだ。現在、イアン・キャラムがアストンマーチン、ジャガーの2ブランドのデザインをコントロールしている。