トヨタがハイブリッドシステムを他メーカーに販売、真のねらいは?

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トヨタがハイブリッドシステムを他メーカーに販売、真のねらいは?
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小泉政権が2004年度までに政府公用車およそ7700台を低公害化すると決定したことを受け、トヨタは23日、3年後までにハイブリッド車の生産台数を3万台規模まで引き伸ばすという方針を明らかにした。システムを簡略化し、低コストを実現した新ハイブリッドシステムを搭載する『エスティマ』と『クラウン』は6月から販売が開始される。

トヨタは「トルクの小さな少排気量エンジンのパワーを電気モーターの力で補う」という『プリウス』方式のハイブリッドシステムと、6月中旬に発売される『エスティマ』に搭載予定の「発進時のみ電気モーターを使い、通常加速時には大排気量のエンジンのみを使用する」という、二つのハイブリッド技術を有している。

このうち、政府公用車に多く採用されることとなるのは後者のシステムと見られているが、トヨタではこの技術を国内外の完成車メーカーに積極的に売り込んでいくという。第一弾となるのはフォードとGMだが、政府公用車調達の関係から、真の狙いは国内メーカーへの売り込みにあるようだ。

トヨタとしてはこの技術を広く解放することで、ハイブリッドシステムでイニシアティブを握れることはもちろん、デファクト・スタンダード(事実上の標準化)にすることもできる。だが、真の狙いは国内の各メーカーがハイブリッド車を販売することになれば、低公害公用車の調達で適用の心配がある独占禁止法を逃れることができることではないかと思われる。

トヨタ会長であり、日本自動車工業会(自工会)の会長でもある奥田碩氏は「ハイブリッドだけが低公害ではない」と強調するが、現在実用レベルにあるハイブリッド車がトヨタ製しかないのも明らかで、7700台という途方もない数の代替がトヨタ一社で行われるとしたら、公正取引委員会も決して良い顔はしないだろう。

《石田真一》

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