【読者のおたより】「GMの影響力は今さら、そんなに強くならない」

自動車 社会 行政
【読者のおたより】「GMの影響力は今さら、そんなに強くならない」
【読者のおたより】「GMの影響力は今さら、そんなに強くならない」 全 4 枚 拡大写真

■記事GM体制の強化!?GM首脳がスズキでも取締役ににつき表現で幾つか気になる点がありますのでメールさせていただきました。以下私見ですが御参考まで。---と、読者のM.T.さんからおたより。

(1)スミス氏は既にGMのマネジメントの中枢から追放されており、スミス氏の非常勤取締役就任がGMのスズキに対する「影響力を強める」ことには直接繋がらない。

(2)スミス氏が6月の株主総会でいすゞの相談役に選任されるとあるのは明らかな間違い。相談役とは一部の財閥系企業を除き、日本では役員OBに退任後年金を支給するための仕組みであり、経営に対する影響力は皆無。役員でも社員でもなく、勿論その選任は株主総会の決議事項ではない。

(3)「いすゞに副社長を送り込んで事実上GMのマネジメントになる」という記事も、既に以前から副社長待遇でGMから出向していた人間が総会を待って役員に就任するだけで、実態は従来と変化なしというのが正解。

(4)GMは、一般に考えられているよりは買収企業への経営参画には慎重。デトロイトの人間が海外でマネジメントして成功した試しがないからだ。典型的なのがオペル。デトロイトは欧州GMを長い間コントロールできなかった(言うことを聞かない)為、デトロイトからトップを送り込んだが、それ以来オペルの業績は下降の一途。このほど、BMWから経営者をスカウトし、またドイツ人の経営に戻す決断をしたばかり。

要するに、カルロスゴーンという人間が偉才中の偉才なのであって、MBAの公式が欧州やアジアで通用しないかも知れないということはデトロイト人も気がつき始めている。出資先の経営指標の管理は厳しくするが直接経営の采配を振るかどうかは疑問。

フォードが社長を送り込んだマツダが未だに赤字脱却出来ないのが現実的な事例として存在する。

(5)と、言うことでお願いしたいのは、自動車を専門に扱うサイトである以上、その筋の専門家がアクセスしている割合も多いはず。表面的な事象を週刊誌的に俗な興味で憶測するのではなく、ジャーナリスティックな目で事実関係を確認し、それらの事実の中から本質を洞察していただきたい。

ご無礼ご容赦のほど。

編集部より---的確な指摘をありがとうございました。明らかな誤りも何点かありましたので、訂正もかねてオートアスキーの認識を説明いたします。

(1)「中枢から追放」という表現が適切かどうかわかりませんが、スミス会長はCEOからすでに退いており、該当記事の表記は誤りでした。現CEOはリチャード・ワゴナー氏です。

(2)ご指摘の通りです。スミス氏の選任は株主総会の決議事項ではありません。また役職も相談役ではなく、特別相談役が正しいものです。

(3)業界的、社内的に実態は変わらないかもしれませんが、一般消費者をはじめとする対外的には大きく変わるでしょう。マツダにフォード出身社長が就任してフォードの子会社化を言われた時点で、GMのいすゞに対する出資比率はフォードのマツダにたいするそれより大きかったにもかかわらず、いすゞはGMの子会社とは言われていませんでした。

いっぽう昨今の業界再編の前、日産は富士重工の筆頭株主(4%)で日産出身の役員もいました。このため一部のメディアでは富士重を日産の子会社とする表現もありましたが、一般にそうとは認識されていませんでした。つまり外国人役員の存在は、日本人役員よりも、どんな数字よりも消費者のイメージには影響力があるのです

(5)専門家からのアクセスもおかげさまで増えていますが、読者の多くはユーザーであり、一般消費者です。専門家を満足させる情報提供は、我々オートアスキーもそれ専門のサイトに期待します。そしてオートアスキーはユーザー視点、消費者視点の報道を心がけています。専門家の方には一般人がこのように感じている、というふうにご覧いただければ幸いです。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  5. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る