【ASV成果報告会 Vol. 7】被害の大きさは認識しつつ、問題となるのはコスト

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【ASV成果報告会 Vol. 7】被害の大きさは認識しつつ、問題となるのはコスト
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マツダは事故を誘発するドライバーのうっかりミスを避けることを目的に、3つのファクターを中心にASV技術を開発してきた。

1つ目は「ドライバー、クルマ、インフラが一体となってコミュニケーションを行うことで事故を避ける」という、予防安全技術。2つ目は「うっかりミスを起こした場合でも、それをバックアップする体制を用意する」という事故回避技術。そして3つ目が「事故を起こしてしまった場合にも、その被害を最小限に抑える」というバックアップ技術だ。

特に力を入れて研究・開発を続けてきたのが3つ目のバックアップ技術で、“被追突予知むちうち傷害低減システム”はその最たるものだろう。ハーフミラー化されたバックミラー内部と、後部バンパーにCCD距離センサーを仕込み、後続車の減速が間に合わずに追突するとコンピューターが判断した場合には、ドライバーに警告を発する。並行して、衝突直前までにモーター式のシートベルトプリテンショナーがベルトを引き込んでドライバーの頭の位置を後方移動させ、ヘッドレストとの距離を縮めることでむちうち傷害を低減するというもの。

シート自体にも様々な機構が組み込んであり、追突時にドライバーの体がシートバックに押し付けられると、リンク機構によって角度が直角位置まで自動的に変化。これによって頚椎や背骨へのダメージを避けるようになっている。

CCDセンサによる危険察知からシートベルトの巻き取りまでに要す時間はわずか0.4秒で、このシステムがむちうち被害の低減に役立つことも確認された。ただし、現状ではシステムのコストが高額になってしまうため、現実的とは言えない面もあり、被追突予知性能と価格バランスの調整が必要となる。

《石田真一》

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