「フォードがユーザーを危険にさらした」と、ファイアストンが政府に調査要求

自動車 社会 社会
「フォードがユーザーを危険にさらした」と、ファイアストンが政府に調査要求
「フォードがユーザーを危険にさらした」と、ファイアストンが政府に調査要求 全 1 枚 拡大写真

ファイアストンのジョン・ランピCEOは31日、アメリカ運輸省のミネタ長官と会談を行い、フォード『エクスプローラー』に構造上の欠陥が生じている可能性が高いとして、調査報告書を提出するとともに、国の機関による徹底的調査の実施を要求した。

昨年行った650万本規模のタイヤリコールについて、ファイアストンは「タイヤの製造工程に問題があった」として、責任の一部を容認してきた。ところが最近になり、フォードが予防的措置として1300万本の追加リコールを決定し、その責任をファイアストン側に転嫁しようとしたことから態度を硬化。

「予防的措置には意味がない」として、フォードとの絶縁宣言を発表するとともに、「問題がないタイヤにも問題が生じる可能性があるとするなら、それはタイヤでなく明らかにクルマ自体の構造に何らかの問題があるとしか考えられない」とコメントし、今回の要求を行った。

提出した報告書では、オハイオ州立大学の機械工学の専門家が1996年型、2000年型エクスプローラーと、サイズが近いクライスラー『チェロキー』、シボレー『ブレイザー』など、他社のSUVとの重心バランスを比較した調査内容を添付し、他のSUVと比較した場合、エクスプローラーの重心位置が高いことを示し、これが全体的なバランスの悪さにつながっているとしている。重心位置が低く設定されていれば、仮にタイヤが破損しても横転する危険性はなく、その点を見落とし、ユーザーに危険であることを隠蔽してきたフォードの責任は重大であると結論づけた。

報告書は運輸省を通してNHTSA(道路交通安全局)に提出されることになるが、ベネズエラの消費局も「エクスプローラーの構造に問題がある」として禁輸措置の導入を検討しており、この問題はさらに加速していきそうだ。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  2. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
ランキングをもっと見る