【F1分裂騒動…Part 4】発端はエクレストン金脈への疑惑

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【F1分裂騒動…Part 4】発端はエクレストン金脈への疑惑
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F1のTV放映権をドイツのペイパービュー放送局が入手したことで、自動車メーカーとFIAの間に新たな問題が勃発した。それが、今年のF1分裂騒動だ。1980年代にも勃発したF1分裂騒動にさかのぼって解説しよう。

1980年代のF1分裂騒動はFIA(バレストル)によるF1世界選手権の統治、そしてFOCA(バーニー)によるF1権利から派生する利益の享受という形で決着した。この奇妙な2団体によるF1権利の分割は、結果としてF1開催を安定させ、コンストラクターたちがレースに専念することができる環境を生み出し、F1サーカスというブランド力はどんどん巨大化していった。

1997年シーズン終了後、FIAとFOAそしてコンストラクターズはコンコルド協定に再びサインし、10年間の契約延長を決定した。そして、2000年シーズン、SLEC(元FOA)が株式上場を果たして約1500億円の資金を株式市場から集めるのではないかという噂話が持ち上がると、この巨大な利益をめぐってFIA、バーニーエクレストン、各コンストラクーズ、さらには自動車メーカーを巻き込んだ泥仕合が再び始まった。

実は2001年に持ち上がったF1分裂騒動には影の主役がいる。それは意外なことにEU(欧州)委員会の、とある指摘だった。1999年、F1界にはTV放映権料だけで3億7500万ドル(約450億円)の収入があったとされている。これに関連グッズ、ゲームライセンス料、さらには各チームのスポンサー料を考えると、F1全体には常に天文学的な金銭が流れこんでいる。しかも、これだけ巨大な興行団体にも関わらず、その利権はバーニー・エクレストンという一人の人間が牛耳っているのだ。

この巨額な資金の流れに注目したEU委員会は「FIAはひとつの団体にF1に関する巨大な権利を無競争に提供した。またFIAは公共団体にも関わらず、自ら開催する商業権利ビジネスに参加している。これは独占禁止法に違反する」という見解を発表した。

《編集部》

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