滋賀県は8日、水上バイクによる環境汚染が指摘されている琵琶湖で7月下旬に行った水質調査の結果を明らかにした。その結果、水上バイク走行後に採取した水にはハイオクガソリンに含まれる有害物質MTBE(メチル・ターシャリー・ブチルエーテル)やベンゼンが含まれていることがわかった。水上バイクが琵琶湖の水質を汚染する可能性があることは以前から指摘されていたが、MTBEやベンゼンなどの発がん性物質が実際に検出されたのは今回が初めて。
調査は7月22日に大津市内と能登川町の琵琶湖畔5地点で行われた。その結果、大津市ではMTBEが2〜3マイクログラム/リットルが検出され、能登川町のポイントからはMTBEが1〜4マイクログラム/同、ベンゼンが1〜4マイクログラム/同、トルエン6〜38マイクログラム/同、キシレン6〜23マイクログラム/同が検出された。
水上バイクの場合、他の船舶とは違い、排出ガスを直接水中に噴射して推進力を得るため、排出ガス中の有害物質を水中に撒き散らす危険性は指摘されていた。滋賀県では今回の調査結果を基に、琵琶湖での水上バイク使用の自粛を呼びかける方針だ。