『Xタイプ』は、メルセデスベンツ『Cクラス』やBMW『3シリーズ』、アウディ『A4』など強豪ライバルが群雄割拠する「プレミアム・コンパクト」市場に、ジャガーが初めて挑んだモデルとなる。こうした強力なライバルに対して、Xタイプはどんなアドバンテージを持っているのか。
「それは第一に、『ジャガーらしさ』をもっているということです。他のライバルがドイツ車であるのに対して、ジャガーは違う世界を持っているということですね。たとえばメルセデスが年間110万台売るメーカーであるのに対して、ジャガーは年間20万台しか目指していない。だからこそ、『ジャガー』らしさを維持することが何より大切だったのです」と、ジャガージャパンのXタイプ・ブランドマネージャー、長木重憲さんは言う。
その「ジャガーらしさ」とは、「ネコ足」と呼ばれる乗り味であり、どこからみてもジャガーとわかるエレガントな内外装であり、スポーティなパフォーマンスである、と長木さんは言う。
「たとえば『トラクション4』と呼ばれる4WDシステムにしても、アウディの『クワトロ』とはまったく違います。アウディはFFベースで、エンジンをフロントオーバーハングに搭載していて、どちらかといえばひたすら安定志向の4WDシステムですね。でも『Xタイプ』の場合は、そうではなくてスポーティな性格の4WDなんです」
長木さんはまた、Cクラスや3シリーズにおいては、「クルマそのものの価値よりも、ブランドネームで買っているお客さんも少なくないという状況だけれども、ジャガーはXタイプにおいては、クルマの出来のよさで評価してもらい、そのことによってブランド力をも高めていきたいと考えている」とも語った。価格についても、Cクラスや3シリーズの同クラスモデルと比べて、競争力のある設定になっている、と語っている。