徳島県在住の暴走族メンバーが、警察の取締りを受けた際、振り下ろされた警棒で小指を切断する大けがを負ったのは警察の行き過ぎた捜査が原因だとして、徳島県と徳島県警を相手に160万円の損害賠償を求める民事訴訟を26日に起こした。
事故が起きたのは今年6月18日午前3時ごろで、原告の暴走族メンバーの少年(17歳)が、徳島市内の市道を友人ら数人とミニバイクで走行中、後方から暴走族取締り中の徳島東警察署のパトカーが接近、停止するように呼びかけた。少年らがこれを無視してさせに走行を続けたところ、バトカーはバイクの進路を塞ぐようにして停止。逃げ出そうとした原告ら数人に向かって、警棒を振り下ろした。ところが、バイクのハンドルを握っていた原告少年の右手小指にこの警棒が当たり、少年は右手小指の一部を切断するという大けがを負った。収容された病院で縫合手術が行われて指はつながったが、神経の一部がまひするといった後遺障害が残ったと主張している。
原告側は「停止後の警察官の行動は過剰」としているが、徳島県警側は事故の直後から「悪いのは信号無視を繰り返した暴走族メンバー。食い止めないと他のクルマが事故に巻き込まれる可能性が高かった」と、捜査の正当性を主張しており、真っ向から争うことになるとみられる。